2018年12月14日金曜日

舞台演劇『スカイライト』

 ゼミ生のOです。先日相澤先生とゼミ生二人で蒼井優主演の『スカイライト』という演劇を新国立劇場で観劇しました。今回は、前回観劇した『ヘンリー五世』より小さい劇場でした。劇場の作りも少し変わっており、役者が演じる舞台の前後と左右にも客席がありました。例えるなら、サッカースタジアムのような作りに似ており、役者と観客との距離が近い印象を受けました。

 ロンドン中心部から離れた質素なアパートに暮らすキラ(蒼井優)。ある夜、かつての不倫相手の息子であるエドワード(葉山奨之)がやってくる。妻を亡くして以来、不安定なままの父親トム(浅野雅博)を助けてほしいと言い残し、彼は去っていく。数時間後、期せずしてトムもまたキラの元へ。三年ほど前に不倫関係が明るみになった日以来、初めて再会した二人。未だ消えぬお互いへの思い、解けない不信感・・・共有する罪の意識の間で大きく揺れ動く二人の会話は、やがてそれぞれの価値観の違いをぶつけ合う激しいものとなっていく・・・。(チラシより)

 この演劇は、登場人物が3人とかなり少ない人数でした。けれども、一人一人個性があり、また場面ごとに人物の感情が大きく変化していくのが印象的でした。舞台上では、かつて愛し合った男女による激しい言い合いから、対話へと切り替わる展開が何度も見られました。一度は歩み寄ろうとしても結局は対立に転じてしまうのは、男女の複雑な感情が絡み合っているのだと感じました。劇中では、料理を作る場面がありましたが、そこでは実際に料理を作っていたので客席にも料理の匂いがしました。劇場が小さい分、役者と観客が対話できるのがこの劇の良いところだと思います。

 『スカイライト』は一夜物語であり、最初は単純な演劇だと思っていました。しかし、一夜だからこその過去への想いや切なさがあふれ出る作品だったと感じました。