2018年9月26日水曜日

2018年度 2期第1回ゼミ

夏休みも終わり、ついに2学期の講義が始まりました。どうしても休み明けの憂鬱感が抜け切れまないゼミ生のNです。2学期はイベントがたくさん控えているので、早くこの憂鬱感から脱し頑張っていこうと奮い立たせています。
さて、夏休み明け第一回目の講義内容は、前半にオリエンテーション、後半に夏休み中の課題発表となります。ちなみに、私は課題を忘れてしまったので来週に持ち越しです。休み明け、気が緩んでいますね。本当にすみません。
夏休み中の課題とは、スペインに関する新書の紹介です。これは、2月にスペインでゼミ合宿を行うため少しでもその国について理解を深めようとする意図がありました。
最初の発表者は、Kさんです。山田篤美『黄金郷伝説』(中公新書、2008)という新書を紹介してくれました。内容は、コロンブスの南米大陸発見によってもたらされた、歴史的影響をつづったものです。コロンブスが初めて原住民族と遭遇したときの彼の印象や南米大陸の対する列強国の思惑などが興味を誘いました。個人的には、原住民を奴隷へ陥れた白人第一主義の思想についてより深く知りたかったです。
次の発表はRさんです。岩根国和『物語 スペインの歴史ー海洋帝国の黄金時代』(中公新書、2002)という新書です。スペインが海洋帝国として発展していた時代に起きた歴史的影響のある事件について考察していく内容でした。発表では、イスラムの支配体制について言及しており、宗教、風俗、言語の自由など非常に寛容的な統治を紹介されました。このような異文化を尊重する支配体制を敷く、これこそスペインの国民性の表れかもしれません。
最後の発表者は、Oさんです。立石博高、内村俊太『スペインの歴史を知りための50章』(明石書店、2017)という本を紹介してくれました。中世から現代に至るまで細かくスペインの歴史を覗き見ることができる内容でした。中世では、絶対主義下においても標準語、法典システムが十分に進まなかった点や現代ではカタルーニャ問題など「文化の多様性」に重きを置く国民精神を見受けることができました。

以上が発表の内容となります。全体を通した筆者の感想を述べると「スペインは個々の文化、習慣に対して非常に寛容的」というものです。RさんとOさんの発表を聞くと強くそのように思います。日本には真似のできない支配体制だと思います。では、なぜスペインはこんなにも異文化に対して寛容的なのか。さまざまな要素はあるものの、やはり一番大きいのは国の位置が関係しているのではないでしょうか。日本とは違い、常に異文化が回りにあり、その異文化と関わり続けなければならなかった、その長い歴史の中でスペイン独自の支配体制が生まれたように思いました。。スペインの「寛容さ」は言わば「生きるすべ」なのかもしれません。グローバル社会といわれる現代。今後、日本にも異なる文化との交流が否応なく増えてくると思います。そんな時、日本人が「寛容さ」を持ってどれだけ異文化から来る人々と接することができるのだろうか。ブログを書きながら不考えてしまいました。