2019年3月9日土曜日

Estudio en España

¡Hola!ゼミ生のOです。私達相澤ゼミは218日から26日の日程で海外ゼミ研修としてスペイン王国のマドリードに行きました。


1日目
朝に成田空港に集合し、12時に日本を出発しました。行きは直行便で日本からスペインまでは約14時間かかりました。(とても疲れました)現地時間の午後6時半頃に到着しタクシーでホテルに直行しました。

ロシア・ハバロフスク上空から見たアムール川

2日目
 この日は、マドリード市内散策で市内の名所を巡りました。最初はホテルから近い王宮に行きました。スペインは1975年の王政復古により現在国王が存在します。(国王は象徴的位置づけ)王宮の外観は、いかにヨーロッパ的な壮大な建物で立派でした。チケットを購入し中に入ると、広い王宮前広場が待ち受けます。王宮内には様々な芸術的な品々が展示されていて、スペイン王室の豪華な生活と繁栄ぶりが伝わりました。王宮見学後は、スペインに来たのでスペイン料理屋で昼食を取りました。食べたメニューは、パエリアと焼き魚、デザートにガトーショコラです。パエリアは日本のお米より少しパサパサしていましたが美味しかったです。昼食後は、Museo Municipal de Historiaに行きました。博物館には、マドリード市の様々な歴史的資料等が展示されていました。中でも19世紀初頭に書かれたマドリードの地図がほぼ現代と変わらない事に驚きました。昔からの伝統的な街並みを守ってきたスペイン人達の精神が伝わる博物館でした。その後は、自由行動と言うことで、ホテル近くのMercad(市場)で食事をしてホテルに戻りました。
昼食のパエリア

3日目
 3日目はマドリードからバスで約1時間の距離にあるトレドという町に行きました。トレドは歴史上、イスラム教、ユダヤ教、キリスト教が混在した町であり、現在も教会などが残されています。バスターミナルから歩いて行くと大きな城門が私達を迎えました。城門をくぐるとそこからは一気に中世ヨーロッパの町並みが広がり、タイムスリップしてきたようにも思えます。町は狭い路地が非常に多く、沢山のお店が軒を連ねているので、歩くだけでも十分楽しめます。私達が最初に訪れたのは、トレドの象徴的な建物であるカテドラルというキリスト教の教会です。カテドラルはとても大きく、内部はゴシック様式の天井と数多くの絵が描かれており、神聖な気持ちになります。教会内にはいくつかの部屋が連なっており、それぞれの部屋の中にはイエス・キリストの像や聖母マリアの像などが飾られていました。内部をある程度見学したら今度は塔に登りました。塔へ登るための階段は非常に狭く急で大変でしたが、展望台からの景色は美しいと同時にクレーンがない時代にここまで高い建物を造れる当時の技術力の高さに驚きました。カテドラルの次はユダヤ教の教会を見学しました。キリスト教の教会は日本でも目にすることがありますが、ユダヤ教の教会はなかなか目にすることがないので気になっていました。ユダヤ教の教会はキリスト教の教会よりもかなりシンプルであまり飾りや装飾がされていない印象を受けました。ユダヤ教の教会を見た後は、カフェで休憩した後、私はトレドのもう一つのシンボル的な建物であるアルカサルにある軍事博物館を見学しました。軍事博物館には銃や刀、鎧などの様々な戦争に関する品々が展示されており、非常に興味深かったです。展示品を見ていると中には日本の甲冑や日本刀が展示されていて、異国の地でも日本の事を感じさせられました。アルカサルの後は近くの美術館を訪問してから帰りのバスに乗りました。この日のトレド訪問は様々な歴史や文化を感じる事ができてとても有意義な一日でした。
スペイン内戦で使われた旧ソ連製の軽戦車T-26
アルカサル













4日目
 この日はあの有名なプラド美術館を見学しました。ゼミでは事前学習で西洋美術に関する本を読んで事前学習をしてきたので、本物の絵画を見るのが楽しみでした。美術館は、入場前から沢山の人で行列ができており、さすが世界屈指の美術館である事が分かります。館内には大小いくつもの部屋があり、私が思っていたよりも広く沢山の絵画や美術品が展示されていました。展示されている絵画は、どれも本に載っているような名作ばかりで、中にはあの有名なルーブル美術館のモナリザより古いモナリザが展示されていました。プラドのモナリザは、表情などはルーブルの物と似ていましたが背景が大きく異なっており、独特の雰囲気が漂っていました。

 プラド美術館の後は自由行動だったので、私は最初に海事博物館に行きました。海事博物館には、かつて世界の海を征したスペイン海軍に関する品々が展示されており、スペインの国力がどれほどのものだったのか伝わってきます。他にもアジアに関する展示があり、大日本帝国海軍とスペイン海軍との交流や日露戦争時の日本海海戦の説明がされていました。映像資料では、スペインを初めとするヨーロッパ諸国がアジアを植民地化していく事やその中で日本が近代化をして強力な海軍を持った事が紹介されていました。海軍力と植民地獲得というのは非常に密接な関係である事がこの海事博物館から学べました。

 海事博物館の後は、考古学博物館に行きました。考古学博物館は、歴史好きの私が楽しみにしていた場所でもあり、6日目にももう一度訪れました。考古学博物館には、人類の誕生からイベリア半島への進出、石器時代、鉄器時代、ローマ帝国、西ゴート王国、イスラム支配時代とスペインの歴史を時代別に資料と展示品で紹介しています。特に私が興味深かったのはイスラム時代の展示です。イスラム時代に入るとそれまでのヨーロッパ的なものからイスラム的な装飾へと変わり、まるで中東の博物館に来ているように感じられました。石碑はアラビア語で書かれた物になり、他のヨーロッパ諸国とは違う歴史を持つスペインの特徴が学べる博物館でした。
昭和天皇がスペイン海軍中佐に送った賞状
アラビア語で書かれた石碑

5日目
 この日はマドリードからバスで約1時間乗った所にあるセゴビアという町に行きました。セゴビアに着いて町を歩くと、巨大なローマ時代に造られた水道橋が待ち受けます。水道橋はとても高く、2000年前のローマ帝国がいかに高度な技術力を持っていたのかが分かります。町を歩き広場に出ると、大きなカテドラル(教会)が見えました。カテドラルの大きさや作りはトレドのカテドラルと同じようなゴシック様式でした。今回もトレドと同様に塔に登る事ができたので、急な階段を登りました。一番上からの景色はとても美しく、最初に来た水道橋や町全体が見渡せました。また、天気がとても良かったので遠くにある山々が見渡せました。カテドラルの次はアルカサルというお城を見学しました。セゴビアのアルカサルは、あのディズニー映画の『白雪姫』のお城のモデルになったと言われています。外観を見た印象は、私達が思い描くいかに中世ヨーロッパの古城と言った感じです。内部には騎士の鎧や刀や大砲といった武器が展示され、日本の城とはまた違った所が新鮮でした。城の城壁から見た景色は、スペインののどかな田舎の風景が広がり、時間を忘れさせてくれる美しい景色でした。アルカサルを見学した後は市内を歩きつつバスターミナルに戻りました。

 マドリードに戻ってからは、現地で日本語を勉強しているスペイン人の方々との交流会に参加しました。交流会は与えられたテーマを元に日本語での会話をします。スペイン人の日本語はとても上手で、日本とスペインの文化の違いや映画の話などで盛り上がりました。交流会はとても楽しかったですが、あっという間に時間が来てしまい終了となりました。しかし、終了後も仲良くなったスペイン人と一緒に近くのスペイン料理屋での交流が続きました。この日はスペインに来て最も楽しい時間を過ごせたと思います。
ローマ時代の水道橋

広場とカテドラル

塔からのセゴビアの風景

アルカサル

日本語の表記がありました



















6日目

 6日目と7日目は自由行動ということで、私は個人的な趣味からマドリードの鉄道博物館に行きました。鉄道博物館にはスペインの地を走った数々の蒸気機関車や特急列車などが展示されていて、車両のデザインも日本とはかなり異なっていました。スペインの線路のレール幅は、日本よりかなり広い為に車両の幅も広々としており、日本とスペインの鉄道の違いが分かりました。鉄道博物館の後はロープウェイのある大きな公園に行くつもりでしたが、この日はなぜかロープウェイが休みだったので断念しました。昼食は適当に歩いて見つけたイタリア人が経営するイタリア料理店で食べました。私はcalzoneという中にトマトとチーズが入ったイタリアのパンを食べて、とてもおいしかったです。食事中に店員さんが「おいしい」と聞いてきたのでmolto bene(とても良いよ)とイタリア語で返したら笑顔で喜んでくれました。この時、外国の人が自分達の言葉を少しでも話してくれると嬉しいのだと感じました。
 昼食後は少し道に迷いながらもロマン主義博物館に行きました。ロマン主義博物館は比較的小さい博物館でしたが、豪華な部屋と芸術品が沢山展示されていて見応えがありました。見学後は少しホテルで休憩した後に、前日に仲良くなったスペイン人に誘われてNさんと一緒に別の交流会に参加しました。交流会には沢山のスペイン人と現地に留学などでスペイン語を勉強している日本人の学生もいました。ここでも日本語で日本とスペインに関する話題で盛り上がりました。具体的には、スペインには日本にあるようなレンタルビデオ店がないので、皆パソコンから無料でダウンロードしているそうです。他には、日本の夏はスペインの夏よりも厳しい(サウナのような暑さ)と話していました。交流会はとても楽しく、何回も参加したいくらいでしたが、遅くならないうちにホテルへ戻りました。
スペインの蒸気機関車





交流会での集合写真











7日目
 この日は4日目に行った考古学博物館がとても見応えがあったので、もう一度行きました。見学後は、お土産などを買うためにマドリードの町を歩きながら買い物をして1日を終えました。

8日目
 早くもこの日がマドリード観光の最終日となってしまいましたが、この日はあの有名なピカソの『ゲルニカ』が展示されているソフィア王妃芸術センターに行きました。入館と同時に『ゲルニカ』の展示部屋に直行しました。ゲルニカは193639年のスペイン内戦で反乱軍(フランコ軍)を支援したナチスの爆撃機がゲルニカの町を空爆した事を描いています。この絵からは、爆撃の元で苦しむ動物や人々の苦しみが伝わってきます。隣の部屋には、スペイン内戦時の映像が流されており、当時の人々の様子が分かりました。

 この美術館は現代アートを展示しています。展示品には激動の20世紀の出来事を批評した物もありました。特に私が注目したのは、東ドイツ国旗の背景にアメリカとソビエトの女性が取っ組み合う絵でした。ドイツを巡って米ソの両国が争う冷戦時代を表しているのだと私は解釈しました。

 見学後は、少し疲れてきたので翌日の長旅に備えて昼食後にホテルで休みました。

9日目
 楽しかったスペイン研修もついにこの日が最後です。(寂しい!)早朝に親切にしてくださったホテルの人達に感謝と別れの挨拶を言ってタクシーで空港に向かいました。帰りの飛行機は、途中フィンランドのヘルシンキを通って成田に向かいました。日本時間の午前10時頃に日本に無事到着しました。約一週間という短い期間でしたが、引率してくださった相澤先生とゼミ生のおかげでとても有意義な研修を行えました。相澤先生とゼミ生にはとても感謝しています。ありがとうございました。

スペインでの気づき
 私がスペインに来て最初に感じた事は、「古い町並みが多く残っている」事でした。東京の町は次から次へと新しいビルができて日々進化しています。一方でマドリードは、昔からの建物があり、色もベージュや茶色で統一されて計画的な都市である事が感じられました。しかし、そんな美しいマドリードの町ですが、視線を地面に向けるとあっちこっちに煙草の吸い殻が落ちていて、東京よりもゴミが多く感じられました。(トレドやセゴビアの観光地はマドリードよりはゴミが少ない)
 自由行動で昼食を食べる時に私は中国人が経営する中華料理店にいったが、お箸の紙袋に英語でお箸の使い方がイラスト付きで説明されていました。この様な説明もアジアでは見ないが、違う文化圏にいることを実感する一幕でした。
お箸の使い方の説明


 交流会での会話で、私は個人的関心から言語に関する質問をしました。まず、「スペイン人は英語が話せるのか」と聞いたところ、多くの人は話せないと答えた。これは意外だったので驚いた。(西ヨーロッパの人は皆ある程度英語が話せると思っていた)ただし、都市部や観光地では英語はある程度通用すると感じられた。(ホテルの人は皆英語が話せる人でした)次に「どの言語が分かりやすい(勉強しやすい)」と聞いたらフランス語やイタリア語と答える人が多かった。私はポルトガル語だと思っていたが、ポルトガル語は「発音が独特で少しわかりにくい」とスペイン人と現地に留学している日本人の方が話していました。

 街中にいる外国人観光客の国籍では、隣国という事もあってフランス人がかなり多く感じられた。(日本に来る中国人観光客くらい)他にはEU圏内の国々や中国人、韓国人が比較的多くいると感じられた。日本人は思ったより少なくて、たまに見かける程度でした。

 私は大学でスペイン語の授業を履修していたので、片言でも学んできたスペイン語で話すようにしました。外国人である私がスペイン語で話すと皆笑顔で喜んでくれたことが今回の研修でとても印象的でした。英語は今では事実上世界共通語のようになっていますが、片言でも現地の言葉で話すと人とのコミュニケーションが柔らかくなる事を実感し学びました。スペイン研修では、博物館や美術館で学んだ事以外にも「言葉としての言語」の重要さを感じました。また、英語だけで無く様々な言語を学ぶ事の大切さを出会った人々から学べたと思います。

長文となりましたがありがとうございました。

¡Me gusta España! ¡quiero ir en España! ¡Muchas gracias!