2019年3月7日木曜日

スペイン研修の報告

ゼミ生のNです。2月18日から2月27日の間、スペインに行ってきました。その報告です。

スペイン研修1日目
スペインの空港に着き、タクシーでホテルに向かい、部屋にチェックインした時には、もう夜の10時を回っていました。その日は、旅の疲れもあって、直ぐに寝ることにしました。

1日目は、外出こそすることはありませんでしたが、空港からホテルに向かうタクシーの中、明らかに日本とは違うスペインの町並みを眺め、胸が高なっていたことは今でも覚えています。

スペイン研修2日目
2日目は、マドリード市内の散策を予定していました。9時半にホテル前の喫茶店で先生、ゼミ生と待ち合わせし、そこで皆と朝食を取り、そのまま散策に向かいました。

まず、オペラ通りを抜け、オリエンテ広場の先にそびえ立つ王宮を見学しに行きました。

ヴェルサイユ宮殿を真似て作られた王宮は、入り口から出口に至るまで豪華な彫刻と西洋画に彩られ、この世の贅沢の限りを尽くしたような佇まいでした。あまりの美しさに驚きを通り越して、ため息すら出る始末でした。とにかく、豪華です。

王宮見学の後、すぐ隣にあるアルムデナ大聖堂に行きました。
王宮とは打って変わって、アルムデナ大聖堂の中は、静けさとひんやりした空気、神秘的な空間がそこにはあり、大聖堂の正面にはキリスト教の十字架の彫刻が掲げられ、多くの人々がその彫刻の前で祈りを捧げていました。今でも、信仰が根強く残っていることが伺えます。

昼ごはんは、小さなレストランで頂きました。皆で、コース料理を頼み、私は前菜にパエリアとメインにうさぎのお肉、デザートにアロス・コン・レチェと言われるご飯の上に冷たいミルクをかけたスペインの伝統料理をいただきました。
うさぎのお肉は、初体験でした。肉自体は、柔らかく、鶏肉に近い感触で安心しました。味付けの方は、今まで食べたことのない不思議な味でした。量もあります。

ご飯の後、マドリードの歴史博物館を回り、プラド美術館周辺の散策、そして、その日は、プラド美術館の前で解散となりました。

夜は、サン・ミゲル市場でご飯を食べ、ホテルで就寝、これが2日目の流れでした。

スペイン研修3日目
スペイン3日目は、トレドに向かいました。トレドは、「16世紀で歩みを止めた街」と言われているだけあって、石造りの建物や道路が目立っていました。道も日本の様に整備されておらず、急な坂、狭い道、ゴツゴツした道ばかりです。長時間歩いていると、足を痛めてしまうほどです。

最初我々は、カテドラ大聖堂に向かい、中を見学しました。スペイン、カトリックの総本山と言われるトレドのカテドラル大聖堂の内部は、荘厳な雰囲気が漂っており、大きな宗教画と複雑な彫刻やガラス細工、見たこともない大きさのパイプオルガンが私に現実味を失わせます。



次に、サンタ・マリア・ラ・ブランカ教会に向かいました。そこはユダヤ教の教会で、以前まではトレドの街に10もの数の教会があったが、現在ではサンタ・マリア・ラ・ブランカ教会1つのみになってしまったらしいです。そんな教会の内部は、カテドラル大聖堂のように彩られる事はなく、当時の面影を残した質素な雰囲気がありました。

そして最後にサンタ・クルス美術館に訪れました。有名な画家、エル・グレコの作品が多数展示されている美術館です。

美術館の後は、近くにあった店に寄って、生ハムとオリーブオイル、鰊をいただきました。生ハムは、塩っけが強かったです。スペインの友人の話によると、スペインでは、肉本来の味を楽しむために、味付けは塩のみと聞きました。

こうして3日目の研修は終わりました。

スペイン研修4日目
この日は、プラド美術館で芸術を堪能してきました。歴史的に有名な絵や宗教画が多く展示されていました。また、日本語のオーディオもあったので、一つ一つ作品の歴史を辿る事ができ、より深く絵画について理解ができました。また、一度は目にしたことのある作品も現実として目の前で見ると、印象が全然違います。その違いにも感動していました。戦争の風景、人間の心情、宗教、神話、様々なテーマの絵画が各部屋に展示され、その表現の多様性と芸術性に関心するばかりでした。結局、気づけば6時間以上も絵画を楽しみ、ホテルに着いた時には夕方の5時過ぎになってしまいました。今までに味わったことのない1日でした。

スペイン研修5日目
この日は、セゴビアに向かいました。セゴビアの代表建設物で世界遺産にもなっているローマ水道橋を見学しました。昔の人が、これほどの水道橋をどの様に作ったのか、驚くばかりです。更に驚くことに、間接的ではありますが、現在でも水道橋として機能しているらしいです。当時の技術力の高さがわかります。


次に、セゴビアのカテドラル大聖堂に訪れました。トレドのカテドラルも同様に言えることだが、やはり、建物の隅から隅まで豪華に彩られ、何重にも重ねられて彫られた彫刻、綿密な宗教画、思わず見上げてしまう高さの天井、全てが想像のスケールを超えてきす。スペインが歴史ある宗教国家として歩んできたことがよくわかります。

次に、アルカサルに向かいました。ここは、映画「白雪姫」の城のモデルにもなっています。城の中に入ると、当時使っていた武器や鎧などが展示されていました。印象的に、武器、鎧のサイズは小さく、その時代の人々の体格や食生活まで推察が出来ます。




その夜は、文化センターでスペイン人と日本人の交流会が催されており、それに参加しました。交流会では基本的に日本語のみの会話だったので、内心、意思疎通出来るか心配していました。しかし私の心配を他所に、参加しているスペインの方々の日本語力の高さに舌を巻きました。スペインの方々の陽気でフレンドリーな一面が見えた、貴重な体験でした。

スペイン研修6日目

この日は、自由行動の日です。ここ連日、移動が多かったせいか、疲れが出てきました。なので、午前中は近くにあるデボッド神殿を見学し、少し歩いて、大学付近の公園のベンチで読書していました。その公園は、非常に広大で、木々に囲まれた、自然を感じる素晴らしい場所でした。土曜日だったせいか、公園内を走るランナーやピクニックに訪れた家族があちらこちらにいました。

夕方からは、再びスペイン人との交流会に参加しました。



金曜日に行われた交流会とは異なり、住宅の一部屋で行われていました。ホームパーティのような雰囲気で、スペイン人と日本人がそれぞれの言語を使って会話を楽しんでいました。また、発表会やクイズ大会なども行っており、退屈しません。お陰で、多くのスペインの方々と接することができ、大変満足のいくものになりました。機会があれば、また参加したいものです。


スペイン研修7日目

この日は、交流会で知り合ったスペインの友人と共に、マドリードを散策しました。現地の人でないと分からないスポットやお土産店などを教えていただきました。また、スペインの文化と日本の文化を語り合うことができ、非常に有意義な時間でした。
スペインの人は、政治にうるさいようです。










スペイン研修8日目
この日は、ソフィア王妃芸術センターに行きました。ここは、ピカソ、ダリなどの現代美術の巨匠達の作品が多く展示されていました。プラド美術館とは雰囲気が異なり、美術館内は明るく、開放的でした。そんな中、ある一室だけ異様な空気を漂わしていました。その部屋にはピカソの代表品、ゲルニカが展示されています。本物は、想像より大きく、それだけ迫力もありました。開館直ぐにその部屋に向かったので、人が集まる前にゆっくり堪能できて本当良かったです。その他にも、様々な作品があり、楽しめました。現代美術の表現や思考の高さに理解が追いつかない作品も多くあり、色々考えさせられる経験でした。








午後は、ラス・ベンタス闘牛場に向かいました。開催時期ではなかったので、闘牛自体は行われていませんでしたが、建物を見学するだけでも来た甲斐がありました。




以上が報告になります。

まず、思うことは「日本とは、何もかも違う」という事です。

景色や建物は勿論、大事にしている価値観や人々の雰囲気など、まったく異なります。こうした、異なる文化を持つ国と接することで、その国だけでなく、 同時に 自分たちの国に対しても客観的な視点を持つことができたという意味で、両国の理解が深まりました。本当に素晴らしい研修でした。