2019年3月7日木曜日

海外ゼミ研修

ゼミ生のKです。

  先日、スペインのマドリードへ研修へ行きました。出発当日前夜は、初めて海外に行くことによる緊張と興奮で一睡も出来ないまま、成田空港へ向かい、イベリア航空の飛行機でマドリードへ向かいました。空港に着いてから辺りを見渡すと、日本語は通用しないのだと改めて感じ、少し不安な気持ちが出てきました。その日はタクシーを使ってホテルへ直行し、高まる気持ちを抑えながら翌日から始まる研修に備えて体を休めました。

 研修初日の活動はまず、マドリード市内を散策しながら、王宮や大聖堂、歴史博物館などを見学しました。王宮では、細部まで緻密に造られた装飾に驚きました。ここで暮らしていた当時の様子を想像するだけで、とても楽しい気持ちになりました。現地で初の昼食では、先生とゼミ生全員でバルに入りました。そこでは、パエリアを食べるなど、スペインならではの食事を堪能しました。私は食後のデザートにアップルを頼んだのですが、運ばれてきたのが、何もなされていない丸々一個のりんごで驚きました。日本にはない食文化に触れることができて良かったと思います。それから、午後もかなり歩き回ったので、マドリード市内の地理を感じることができました。

王宮の昼と夜

 2日目はトレドを訪問し、マドリードとはまた違った街並みの中を歩くことができました。歩いてみて、トレドの街は高低差があるのが特徴だと感じました。それに沿うように歴史ある建造物が建ち並ぶ事で、より美しく見える景観ができているのだと思いました。

高低差のあるトレド
 その他に、キリスト教、ユダヤ教、それぞれの教会に行きました。そこで、宗教によって教会の造りにも違いがあることが、よく分かりました。キリスト教の教会では、十字架にキリストが磔されているものや、マリア像、それらに関する絵などがあり、装飾も豪華な印象を受けました。一方、今回行ったユダヤ教の教会ではシンプルでこじんまりとした印象を受けました。この違いには様々な要因があると思いました。少し調べてみようかなという気持ちになり、興味深い経験ができて良かったと思っています。

キリスト教の教会(上)、ユダヤ教の教会(下)

 3日目は、プラド美術館を見学しました。ここには、ゼミでの研修に向けた事前学習として、西洋美術に関する本を読んだ時に、最も惹かれた作品が展示されていたのでとても楽しみにしていました。それはベラスケスの描いた『ラス・メニーナス』という作品です。私は事前学習の際にこの絵画に惹かれた理由として、臨場感が溢れていて、絵の世界に入れるような気持ちになったからだと書いていました。そして今回、実際に生で見るとより強くそれを感じました。さらに、色の鮮やかや顔つき、筆遣いなどがよく分かり、感動しました。
 その他にも多くの作品を見ることができましたが、その際には事前学習で得た、絵画を見て楽しむためのスキルを実践しました。その中でも特に、作者が何を伝えようとしているかを考えることを意識して鑑賞しました。すると、作品横に書かれている説明などが分からなくても、自分で解釈してみようとするだけで楽しむことができ、事前学習が活かせて良かったなと思いました。

  4日目はセゴヴィア訪問の予定だったのですが、疲れからか体調を崩してしまったので、ホテルで休憩していました。ゼミ生から送ってもらった写真を見ると、とても美しい景色や建造物が写っていたので、今後の人生で一度は訪れてみたいなと思いました。
 4日目はセゴヴィア訪問の後に、スペインで日本語を学んでいる方との交流ができる国際交流会へ行く予定もあり、そちらには体調の回復した私も参加することができました。交流会で話し合いをする中で、大切だと感じたことは、相手の目を見て話すことの重要性です。日本で会話をするときには、日本語が母国語なので、自分の話している言葉が正しい意味で伝わっているのかという不安はあまり感じません。しかし、海外に来てみて、言葉が伝わるかという意味での不安な気持ちを体験しました。そしてその不安があればあるほど相手の顔に注目をして、感情を読み取ろうとしました。そこでコミュニケーションには文字起こしできる言葉だけでなく感情を伝え合う役割がとても大事なことだと実感しました。このことから、普段以上にアイコンタクトを取り、リアクションするように心がけました。その結果、安心した気持ちで会話を楽しむことができて良かったです。

 5日目、6日目は自由行動日でした。2日かけてマドリード市内を中心に美術館や博物館を見学しました。そこからスペインの古代から現代までの歴史を展示物を通して感じることができました。例えば海軍博物館では、大航海時代や海戦の時に使われた船の模型を年代別に見ることができ、スペインが海軍に力を入れていたことが分かりました。他にもロマン主義美術館では、ブルジョワ階級の生活ぶりを感じられました。
 また、時間ができた時には、街並みを眺めていました。すると日本と比べてゆったりと過ごしている人が多いような気がしました。街中でも談笑しながら歩く人が目立っており、その空気感をじっくり味わうことができて良かったです。




 最終日である7日目は、午前中にソフィア王妃芸術センターに行きました。ここではまず有名なピカソの『ゲルニカ』を見に行きました。生で見る迫力を感じながら隅々まで見ることができました。戦争の悲惨さを感じました。その後は自由に館内を見て回り、現代アートならではの面白さを味わいました。
 午後はマドリードの中心にあるデパートで、お土産を買うなどして過ごしました。スペイン人の暮らしぶりをリアルに感じながら、後悔ないように買い物ができて良かったです。そしてスペイン最後の食事はサン・ミゲル市場で楽しみ、夜の街並みを写真に残して、ホテルへ戻りました。

 無事に海外研修を終えることができて本当に良かったです。ありがとうございました。