こんにちは。経済学部3年のHです。今回初めてブログを担当させていただきました。がんばります。今回はB班の新書報告です。
Cさん 釘原直街『集団はなぜ残酷にまた慈悲深くなるのか』中公新書、2025年
本書は、服従する実験や同調する実験、また緊急事態における集団の心理について解説しています。その中でもCさんは同調について紹介してくれました。
集団において同調が発生する要因として3つの要素が挙げられるそうです。1つ目は無意識に同調をする暗黒的影響、2つ目はうわさやデマを容易に信じてしまう情報的影響、3つ目は自分が集団に属していることから、個人での行動を制限しがちになる規範的影響です。また、人々は良くないと理解していることでも、集団においては場を乱したくなかったり、それぞれの立場を考えたりして同調しがちであるともCさんは述べていました。
私はこの報告を聞いて、集団で行動することの難しさと同調をすることにネガティブにならなくても良いことを新しく学ぶことができました。
Hさん 福間詳『ストレスのはなし メカニズムと対処法』中公新書、2017年
本書では、具体的なストレスの発症例やその対策について解説しています。まず、ストレスとは私たちが日常生活において受けているあらゆる刺激に対する脳の反応です。現在は自分にとって嫌な出来事や悩み、経済的困窮、人間関係といった精神的・心理的な負荷として用いられることが多く、ストレスは常に自分の周りにあると言われているそうです。
ストレス発症の具体例には、パワハラ、育児ストレス、パチンコなどの借財について挙げてくれていました。特に、パチンコについてはストレス→ギャンブル→借金→ストレスの悪循環に陥ってしまい、根本的な解決策が無く付き合っていかないといけないと言われているそうです。
ストレス対策として、ストレスに対する備えとストレスを受けた時の対処が提示されています。備えに関しては十分な睡眠と栄養バランスのとれた食事、日常的な運動や趣味の時間などが挙げられています。対処としては日記を書く、信頼できる人に話すといった感情の整理、専門的な支援を求めると良いそうです。
私はこの報告を聞き、避けられないストレスを上手く発散していくことの大切さやストレスの対策を新しく学ぶことができました。
Iさん 串崎真志『繊細すぎてしんどいあなたへ』岩崎ジュニア新書、2020年
Iさんは繊細さのパターンがいくつかあることを述べ、繊細に対する対処法も説明してくれました。繊細には6つのパターンがあることが証明されているそうです。緊迫した場面が苦手というパターン、他人の顔色を窺ってしまうパターン(これは日本人にありがちな繊細さだそうです。)。匂いや音に敏感なパターン。このように繊細さにはさまざまな種類があり、繊細を過度に感じているHSPの日本人の割合は5人に1人だそうです。
繊細に対する対処法は、 繊細さを感じたら心の中でじっと6秒数える6秒ルール。10人の人の前で話していたとすると2人は賛成、2人は反対、6人はどちらでもない人であり、どんな状況にあっても誰かしらはあなたに共感、味方してくれると意識すると少しは気持ちが楽になるという考えの2・6・2の法則この2つを挙げてくれました。
自分はあまり繊細な方ではないと思いますが、繊細だということをマイナスに捉えるのではなく多感的だとプラスに捉えること、そして繊細への対処を学ぶことができて良かったと思います。
Tさん 上田信 『死体は誰のものか:比較文化史の視点から」ちくま新書、2019年(書き込みでの報告を参照)
本書は現代日本の死体忌避文化が普遍的であるかという問いを起点に、世界各国の死体観の差異を考察しています。
Tさんが1番驚いたことは中国における死体の政治的利用だそうです。中国には「図頼(とらい)」という、死体を使って権力者に抗議する伝統的な手段が存在していたのですが、現代でも2008年に発生した暴動において、遺族が埋葬を遅らせた死体が政府への抗議の象徴として機能した事例があります。現代中国人はこの古い習慣を知らないはずですが、死体を抗議の手段として用いる行為が現代においても自然に発生しているということだそうです。
自分はこの事を知って、そもそも死体を使って何かをするということが考えられなかったです。このような死体の使い方をする中国にすこし不信感を抱いてしまいました。
ゼミの活動は今回で第8回ということで、今年から入った自分もそろそろ慣れてきつつあります。今回の新書報告でもさまざまな意見や質問、議論が活発に行われました。また、新書口頭報告の前の本についての雑談もフランクに楽しく本の紹介ができました。次回はC班の新書報告です。