こんにちは。経営学部2年のSです。今回初めてブログを書きました。今回は自分も発表し、ブログも書いた回となりました。A班の新書報告です。
Eさん 竹下大学『日本の果物はすごい』中公新書、2024年
Eさんが紹介してくれたのは、私たちが普段当たり前のように食べている果物の“歴史”を掘り下げた一冊です。実は、私たちが身近に感じている果物の多くは、明治維新以降に日本へ伝わってきたもので、当時はとても貴重な存在でした。今で言えば「宝石」のような希少品だったというのは、驚きでした。
さらに、人間の舌は30度±5度の範囲で最も甘みを感じやすく、温度が低くなるほど甘みを感じにくくなるそうです。桃などは冷やさない方が甘さを感じやすく、逆にリンゴや梨、さくらんぼ、スイカといった、果実に含まれる単糖類の一種の果糖をあまり含まない果物は冷やした方が美味しく感じられるとのこと。
こうした知見をふまえることで、果物をより深く楽しんでもらいたいというのが著者の狙いです。Eさん自身も、「果物を見る目が変わった」と語り、非常に新鮮な読書体験だったようです。
報告を聞いて、私がこれから食べる果物はより甘く、歴史に思いを馳せて食べられそうです。
Kさん 野村浩子『女性リーダーが生まれるとき』光文社新書、2020年
Kさんが紹介した本は、日本の女性社長や幹部たちの成功体験を通して、女性がリーダーになることの難しさとその背景を明らかにした一冊です。本書の中では、なぜ女性がリーダーに向かないとされがちなのか、その理由として「リーダーらしさ=男性らしさ」という固定観念が指摘されています。
たとえば、リーダーに求められる「責任感」「行動力」「説得力」などの資質が、無意識のうちに男性的な特徴と結びつけられているそうです。そのため、女性が同じように振る舞っても“違和感”として捉えられることがあるといいます。著者は、今こそリーダー像の多様化が求められていると主張しています。
Kさんはこの本を読んで、「女性はリーダーになる能力が劣っているのではなく、社会の構造や思い込みがそれを妨げているだけだ」と気づき、大きく勇気づけられたと話していました。
報告を聞いて、女性のリーダーが少ない理由には目から鱗でした。男女で公平な社会が目指されている一方で、まだまだ整備が追いついていないことを実感しました。
どちらの本も、私たちが当然と思っている日常の中に潜む「前提」や「バイアス」を見つめ直すきっかけを与えてくれるものでした。読み終えたとき、自分の視界が少しだけ広がったように感じられる、そんな2冊でした。
私Sも報告しました。本の内容紹介は省略して、報告してみての感想を記したいと思います。今回報告してみて、やはり新書報告は難しいと感じました。限られた時間で本の内容や構成を伝えつつ、有用な情報と自分の感想を伝えなくてはいけません。そのためには、本をよく読むことももちろん、報告を見据えて準備する必要があります。新書報告は難しいですが、難しいからこそ普段の読書と一味も二味も違う味わい深い読書だと思いました。