2021年12月8日水曜日

2021年度後期第10回:卒論をめぐってグループワーク


卒論の概要を発表するNさん。
こんにちは。相澤ゼミ4年のNです。今回のゼミでは、ゼミ生の皆さんと「若者に本を読んでもらうためには」という問いを考えるグループワークを行いました。

この企画には、私の卒業論文が関係しています。私は卒業論文にて、高校生や大学生に本を読んでもらう方法を考察しています。私自身は本ゼミの活動を通じて読書から知識を得るとともに、多くの感動も感じています。しかし、資料を調べると高校生や大学生はあまり本を読んでいないことが分かりました。ネットが普及した現在 or 今日、知識や娯楽は容易に入手できます。それは大変便利ですが、私は、読書だからこそ得られる知識や感動もあると考えています。そんな、読書がもたらす知識や感動を多くの方に知って頂きたいと考え、若者に読書を促すにはどうすればよいかを検討するために、相澤先生とゼミ生の皆さんのご協力のもと、今回のグループワークを行っていただきました。

本グループワークを行うにあたり、全国で行われている読書推進活動や読書啓発本を調べた結果、私は、強制的に読書を行う時間を設けるのが最も効果があるのではないかと感じました。なぜなら、そもそも本を読まなければ、本の良さを知れない、あるいは良さに気づけない のではないかと考えたからです。こうした観点から、私はゼミ生に対して強制的な読書イベントを行うべきか、読書独自の良さとは何か質問しました。以下、ゼミ生の回答と、私のコメントをまとめていきます。

Q1:強制的な読書イベントを行うべきか

強制すべき

  • 本に触れる機会を増やすべき(読まないと魅力を知れないから)。→ 読まないと魅力に気づけないので、本に触れる機会を増やすべき。
  • 朝読書(始業前、10分程度の時間を利用して生徒と教師が自分の好きな本を読むという読書推進活動)を設けることによって、集中力と語彙力のアップも見込めるのではないか。
  • 他人と共有することによってコミュニケーション能力も向上するのではないか。
  • 小中高の朝の読書時間のように、ノルマを設けず時間だけを決める(ノルマを設けると強制感が強い為)。

強制に反対

  • 強制することによって読書嫌いになる or なってしまうのではないか。
  • 読書の重要性を分からずに読んでも効果がないのではないか。
  • 習慣化されず、形だけで終わりそう。

強制すべきだとする意見は、私が考えていた、本に触れる機会を増やす必要性や、それに付随するメリットと通じるものでした。一方、反対派の意見は、私自身も感じていた、読書嫌いになるのではないか、習慣化されないのではないかという危惧が示されました。

グループワーク風景。
私は、強制的な読書イベントとして必須科目を設けるという案を考えていましたが、これに対しては、読書強制賛成派の学生からも、強制感が増し過ぎるのではないか、と慎重な意見が挙げられました。しかし、これに対する提案として、必須科目ではなく選択科目にしてはどうか、という指摘も頂けたため、今後は、必須と選択のメリット・デメリットもまとめていきたいと感じました。また、強制的な読書時間を設ける場合、図書館で本選びを行いやすくしてあげる工夫(本ごとにレベルを分ける等)も行う必要があるのではないかという意見も出ました。本ごとにレベルを分けるのはかなりの労力が必要になるため、実用可能かは分かりませんが、非常に興味深く感じました。

Q2:他に楽しいこと・やりたいことが数多くある中で、なぜ読書なのか?(読書独自の良さとは?)

  • 情報の信憑性が高い。
  • 想像力を膨らませられる。
  • 知識が増えるのが楽しい。教養や雑学を身に着けられる。
  • 語彙力や伝え方、深い知識を身につけられる。
  • 社会人必須の知識や技術を身につけられる。
  • 成功をしている人は本を読んでいる印象がある。先人の例を学べる。
  • ネットでも情報は取れるが、ネットだとその場限り。読書では達成感が感じられる。
  • 本を読んでいるという事実が与える充実感や肯定感を感じられる。

情報の信憑性や知識を得られるという意見と共に、教養を深められるという意見も出ました。また、充足感や達成感を感じられるという意見に関しては、本に使用した時間や金銭から来るものではないかと考えました。深めたい、身に着けたい知識に関しては、ネットで調べるだけでなく、本を購入する、もしくは借りた本の内容をしっかりとメモすることが大切だと改めて感じました。

また、この質問への回答を通して、高校生から本を読まなくなる理由も挙げられたため、それについても記載します。

  • 高校三年間は部活や受験で忙しく、小中の読書週間が失われてしまう。
  • スマートフォンを入手することにより、そちらに夢中になってしまう。

こうした意見から、短時間でも読書をする習慣を整える必要性や、スマートフォンの影響力の大きさを再認識できました。一方、この打開策として、生徒・学生に対して、授業として読書実践を取り入れるのは、やはり意義があるのではないかと感じました。

まとめ

今回のグループワークにて、読書を促すためには、読書の重要性を今一度説明する、本に触れる機会を増やす、本を読む習慣を作ることが重要であると感じました。具体的な案として、必須か選択かはともかく、本を読む授業があっても良いのではないかという意見も頂けて、とても参考になりました。また、ゼミ生から出た賛成意見・反対意見が、自身が考えていた意見と同じだったため自身の考えに自信が持てました。頂いたご意見、ご指摘をしっかりと卒論にまとめていきたいです。ご協力いただいた相澤先生とゼミ生の皆さん、本当にありがとうございました。

次回のゼミではCグループが新書報告を行います。新書報告も残り2回となり、Cグループにとっては次回が最後の新書報告となります。寂しい気持ちもありますが、残りのゼミ活動も存分に楽しんでいきたいです。