2021年11月24日水曜日

2021年度後期第8回:新書報告5

こんにちは。ゼミ生3年のWです。前回のゼミ活動では映画を鑑賞し、それをもとにグループディスカッションを行ったため、今回は1週間ぶりの新書報告となりました。では、C班の新書報告を紹介していきます。

Yさん:白木夏子『ファッションの仕事で世界を変える エシカル・ビジネスによる社会貢献』(ちくまプリマー親書、2021年)

本書はファッション業界の仕事を具体例にあげて、  ビジネスと社会問題のつながりについて、その解決方法をSDGsをもとにして書かれていたそうです。私は経営学部の学生でありながら、「エシカル・ビジネス」という言葉を初めて聞きました。「エシカル」という言葉は日本語で「道徳的」を表すそうで、「エシカル・ビジネス」  とは労働環境や安全管理などに十分に配慮したビジネス活動のことでした。そして、私は本書で具体例としてあげられていた、ファッション業界で販売員のアルバイトをしています。発表では大手ファッションメーカーの工場が倒壊し、1000人以上もの従業員が亡くなった「ナナプラダの崩壊」のような、私たちが普段目にすることのない生産者の方たちが置かれている酷い労働環境が紹介されました。この報告を聞いて私は、自分が販売する商品がどのような労働環境で製造されたものなのか調べてみようと思いました。また、自分が消費者として購入する際は、悪い環境で生産されたものを買わない「ボイコット」と良い環境で生産されたものを購入する「バイコット」に意識をしようと思います。

Oさん:林道義『家族の復権』(中公新書、2002年)

本書は子育てを軸に、著者の考える家族の在り方について書かれていたそうです。日本の家族  では子どもを1番大切な者として守るという考え方があるそうです。子どもに家族の位置関係を把握させるために両親が子供目線に立って、夫が妻をお母さんと呼んだり妻が夫をお父さんと呼びなど、子供が中心の家族関係を構成しているとのことでした。また、  家事には給料が発生しないため、他の誰かに任せようとする「外注思想」によって女性も働くことが求められて  いますが、それによって家族が空洞化することが危惧されていました。さらに、女性が働くために子どもを保育施設にあずけることで子と親の関係が薄れると危惧されていました。そのため保育所を増やしても少子化対策には効果がないというのが著者の主張でした。この報告を聞いて私は、育児休業制度が充実してきている昨今とは少し違う考え方だと感じました。

Kさん:大嶋英利『アスベスト 広がる被害』(岩波新書、2011年)

「アスベスト」は鉱物からできた中皮腫というがんを引き起こす発がん作用のある繊維で、建築や造船に  使用されてきたと紹介されていました。  またこの  「アスベスト」には体内に入ってから中皮腫が発生するまでに40年の潜伏期間があるとのことでした。  「アスベスト」が使用された戦後の建物の解体ラッシュがこれから始まるとのことでした。その作業によって飛び散る粉が体内に入り込まないように対策をしなければ、私たちも将来「アスベスト」が原因でがんになる恐れがあるという内容にとても恐怖を覚えました。しかし、  現在は環境庁や厚生労働省によって技術指導などがされているそうなので、あまり神経質になる必要もないと思いました。

Tさん:小塩真司『性格とは何か よりよく生きるための心理学』(中公新書、2020年)

本書では心理学の知見から人の性格特性を5つに分類したビッグファイブが紹介されていました。この5つは開放性、誠実性、外向性、協調性、神経症傾向だそうです。そしてこれらを利用した性格研究(よりよく生きるための自己分析)は、勤勉さが完璧主義とつながるように多面的で、他の性質との兼ね合いで結果が変わるそうです。また、自分の性格知ることは自分の視野を広げることにつながるとされていました。また就職活動では自分と向き合い、本当にやりたいことを見つけることが重要とされています。ですから私は、  なぜ就職活動において自己分析が大切とされているのか、この報告からわかったような気がします。今一度自己分析をやり直し、自分の性格と向き合う時間を作りたいと思いました。

以上の4冊が今回の新書報告で紹介されました。毎回の講義で思うことなのですが、普段自分では手に取らないような本の発表が聞けてとても楽しいです。残り少ない新書報告では、いったいどんな本が紹介されるのか楽しみです。