2020年11月4日水曜日

2020年度後期 第6回:GW「読書について考える」

 こんにちは。相澤ゼミ経営学部3年のNです。今回のゼミでは、ゼミ生の皆さんと「何故本を読まないのか」という問いを考えるグループワークを行いました。

この背景には、私の総合研究教育ノートが関係しています。私は、総合教育研究ノートにて学力と読書の関係性について考察しようとしています。資料を調べていくうちに、読書が学力向上に関係するといわれているのに、何故学生は本を読まないのかが気になりました。そこで、相澤先生とゼミ生の皆さんにご協力頂き、今回グループワークを行っていただきました。最初にゼミ生の読書の実態を話してもらい、その上でどうやったら本を読めるようになるかを皆で考えました。以下、提示した問いとゼミ生の回答、私のコメントをまとめていきます。

Q1:ゼミ生の読書習慣の実態

  • ゼミで読む新書を除けば、週に一冊読むか読まないかといった所。一番多い人で月7冊程。
  • ジャンルは多岐にわたる(新書、ハウトゥー本、ビジネス系、小説、歴史)。

皆高い頻度で本を読んでいるのではないかと感じました。こうした意識の高さは相澤ゼミならではかもしれません。読む本のジャンルは多岐にわたりましたが、こうしたジャンルの違いは学力にも影響を及ぼすのか、興味がわきました。


Q2:読書媒体と入手方法

  • 媒体は電子、紙どちらも半々の意見。
  • 入手方法も、購入、借りるが半々。

私はもっと電子書籍で読む方が多いと思っていましたが、意外と紙で読む方も多く驚きました。私的な見解ではありますが、実際に書店や図書館へ足を運ぶと、ネット検索では発見しにくい本に出合うこともでき、面白みがあります。一方、電子書籍は紙の本に比べて購入の手間がない、かさばらないといった利点があるため、場合に応じてどちらも活用していくのが大切かもしれません(かく言う自分は電子書籍をほとんど読まないのですが…)。


Q3:そもそも「本を読みたい」と思っているか

  • ゼミ内では読みたい派が多数。読みたい理由は、読書による学びというより、読むこと自体が楽しいという印象。
  • 読まなくてもよい(必ずしも読書の必要性はない)派の意見は、学びの面が強い印象。学ぶ必要のある専門知識や、実生活に役立てられそうな知識を得るため読むという意見。

本を読みたい派は娯楽として、読まなくてもよい派は知識が得られるからという意見でした。一方で、両者ともに、本を読むのは良いことだと考えていました。そこで、どのような意味で本を読むのは良いことだと考えているのかという点を深掘りしていきました。


Q4:本を読むことによって得られるものは何か

  • 読みたい派の意見
    • 読んでいて楽しい(没入感、文字だけだからこそ想像するのが楽しい)。
    • 古人の考えを知れるのが面白く、自身の考えを深められる。
  • 読まなくてもよい派の意見
    • 新しい知識や語彙力を得られる。
  • 双方から出た意見
    • 読書に時間をかけても無駄に感じない(知識が得られるから。苦労して読んだことの達成感)。
    • 信憑性の高い情報が得られる。ネット検索だけでは得られない深い情報を得られる。

やはり、本を読みたい派は本を読むことに楽しさを見出している一方、読まなくてもよい派は新しい知識や語彙力を得られる点に本を読む意義を見出していました。また、こうした状況から、本を読みたい派は内向き(物語を自分で楽しめるか。自分の中で楽しみを見つけられる)、本を読まない派は外向き(他者と何かをするときに役立つ。知識として蓄えられる)に本を捉えているのではないかという意見が出て、非常に興味深かったです。ゼミ生以外の方にも、この説が当てはまるのか調べてみたいと感じました。

一方、自身が読んだ本を他人と共有することで、気づかなかった本の面白みや、他人との共感によってもっと読書を楽しめるという意見も出てきました。しかし、こうした他人との共有を行う際、小説は難しく、新書は比較的行いやすいという説明がありました。小説のようにストーリー性のあるものは、そのストーリーを相手も理解していないと面白さが伝わりにくいため、共有が難しい。その点、新書等は知識として蓄えられやすく、他者との話につなげやすいとのことでした。本ゼミでは小説ではなく新書の報告を行っていますが、それにはこうした理由があったということを理解しました。


Q5:学生にもっと本を読んでもらうにはどうすればよいか

  • 範囲等を指定して強制的に読んでもらう。
  • 本を作ってもらう(本を作るには知識必要だから必然的に読む)。
  • 共通の小説を読んでもらって、意見交換をする。

やはり一番有効なのは強制的に本を読んでもらうことかと思います。しかし、それでは自主的に本を読んでもらう段階まではいかず、一時的なものに終わってしまう可能性が大きいでしょう。「必ず一週間に一冊読む」ということを習慣づけ、それを守れる方なら続けていけるでしょうが…。その点、共通の本を読んで意見交換を行うというのは、有効かもしれません。同じ本でも、自分だけでは気づかなかった面が見えてきてその本の面白み、ひいては本全般に対する興味に繋がるのではないでしょうか。

今回のゼミを通して、他の方が本に対してどのような考えを持っているか知ることが出来ました。また、自分自身、何故本を読むのかといったことを改めて考えさせられ、非常に面白かったです。ご協力いただいた相澤先生とゼミ生の皆さん、本当にありがとうございました。

次回のゼミでは映画『ズートピア』を鑑賞し、次々回で感想を述べあうこととなっています。私もまだ視聴したことがないので楽しみです。皆さんもお楽しみに!