2020年6月10日水曜日

2020年度前期 第7回:新書報告

経営学部2年生のAです。今回、ゼミ生は講談社のブルーバックスから新書を選びました。科学系の新書です。

相澤先生 吉成薫『エジプト王国三千年史』(講談社選書メチエ、2000
古代エジプトの死生観や社会制度、美術などを文学を通して学ぶ本です。当時は文字を読めない人が多くいたため、それらを残したのは位の高い人たちであったそうです。選書は新書よりもサイズが大きく分厚そうだったので読みごたえがありそうでした。また、相澤先生から「同じテーマの本を二冊以上読むことで知識の定着ができる」という話もありました。同じことが書かれていれば、それほど大切なことだとわかりますし、「あの本にも書いてあったな」と確かめながら読めそうです。

A(今回の担当者)山田克哉『時空のからくり』(講談社ブルーバックス、2017
時間と空間について書かれた本です。当たり前というか、無いことが考えられない時間と空間が物体のように伸びたり縮んだりする性質があることに驚きました。速いスピードで動く箱の中の時間が外の時間と比べて遅くなることや、空間が曲がることが相対性理論なども使われて説明されていました。しかし、そもそもなぜ曲がるのかは分からないそうです。壮大な内容でした。

Yさん 能世博『ウォーキングの科学』(講談社ブルーバックス、2019)
歩き方が健康にまで影響することが書かれた本です。インターバル速歩によって十歳若返ることができるそうです。細胞内のミトコンドリアが体力と関係しているという話もあり、科学的なのだと思いました。歩く機会は毎日のようにあるので実践しやすいのではないでしょうか。五分を一日三セット行うと五カ月くらいで効果が出るらしいです。継続して若返り続ければ不老不死に…なりませんね()

Iさん 池谷裕二『自分では気づかない、ココロの盲点』(講談社ブルーバックス、2016)
無意識に思考が錯覚する現象を認知バイアスと呼び、買い物で「得だ!」と思って買ったものが、冷静になるとそうでもなかったりすることもそれに該当します。1000円の普通カレー、1500円の特製カレーの二つに3000円の極上カレーを加えると、選択肢が二つの時より特製カレーを選びやすくなる話がありました。気づかないだけで、同じような事例はたくさんありそうです。誰にでも当てはまるものを「自分にピッタリ!」と思い込んでしまうバーナム効果も紹介されました。悪く言えば操られることになるわけですが、それに気づかないって少し怖いですね。

Tさん 二井将光『生命を支えるATPエネルギー』(講談社ブルーバックス、2017
細胞内のミトコンドリアでATPというエネルギーが作られていて、それがアデニン・リボース・リン酸に分かれているという話がありました。これらを聞くと中学高校で習う生物を思い出します。Yさんの読んだ『ウォーキングの科学』とも似ているところがありそうです。また、ATPががん治療や殺虫剤にも役立っているという話がありました。医療や虫退治にもATPが関わっているのは興味深く感じます。こういった知識を知っておくと、生き物の体に詳しくなれそうです。

Nさん 藤原さなえ『日本人のための声がよくなる「舌力」のつくり方』(講談社ブルーバックス、2018)
「舌力」を鍛えることで滑舌や姿勢がよくなったり、顔もシュッとするそうです。上の歯に舌が当たっていないとこれが不足しているそうなので、発表を聞いてドキリとしました。トレーニングで鍛えることが可能です。舌は食事と会話ぐらいしか関係ないと思っていましたが、そんなに単純ではないと思いました。あまり意識しない「舌」について考えることができて、健康につながる本だと思います。

Mさん 櫻井武『睡眠の科学ーなぜ眠るのかなぜ目覚めるのかー』(講談社ブルーバックス、2017
睡眠のメカニズムについて書かれた本です。脳にある覚醒中枢と睡眠中枢がお互いの効果によりバランスを取っているそうです。オレキシンというホルモンが抑制されると眠れるそうで、そのために重要なことが食事・睡眠環境・体内時計だそうです。生活習慣が荒れるとこの三つは乱れやすいものばかりです。ぐっすり眠るために意識したいものです。

Sさん 亘部幸博 『コーヒーの科学』(講談社ブルーバックス、2016)
コーヒーの歴史やおいしさ、焙煎、健康について説明した本です。普段消費されているコーヒーは「コーヒーノキ」の種が材料で、これを加熱してあの色や香りがつくそうです。おいしさは苦味・酸味・香りからくるもので、焙煎前でも300種類の香りがあるとは驚きです。カフェインが含まれているので一度に34杯飲むと急性中毒になるとのこと。飲みすぎには注意ですね。

今回は科学系の話を聞くことができました。他のゼミ生の発表から、すぐに実生活で役立つ知識を得ることができてよかったです。これからもジャンルを問わず、様々な新書を読んでいきたいと思います。来週は新書報告ではなく、「文章の書き方」を学びます。