2018年3月4日日曜日

ダンス観劇 『ST/LL』

 ゼミ生のRです。224日にゼミ課外活動として新国立劇場にて『ST/LL』を観劇しました。本公演は高谷史郎さんによる最新のパフォーマンス作品です。現代技術とダンスが融合した新しい世界を感じさせられる舞台でした。

  照明・映像・舞台に張られた水といったような観客を魅了するような要素が多分に含まれています。その要素らを視界にいれることで、手招きされるように舞台の世界に入っていきます。その非日常的な光景から、だんだんと現実と舞台の境界が曖昧になっていくような感覚に陥りました。それは舞台という一つの世界に凝縮されているけれど、いくつもの時間軸が存在しているような。何処かに惹き込まれているけれど、その何処かは分からないような不思議な感覚です。
 普段であればそういった「どういうことだろう」「分からない」ということはもどかしく、あまり安心出来るような感情は生みません。しかし本舞台ではそれが心地よく感じ取れるような、奇妙な安心感がありました。

  ダンスの面では、四人という少人数だからこそ坂本龍一さん達の音楽と共に舞台にとけこむことが出来ていたのだろうと感じます。水・ダンス・スクリーンの掛け合いも、不思議な世界感を形成する重要な要素となっていました。しかしこの素晴らしいダンス、演出上少なかった印象を受けます。神秘的で世界観にマッチしていたからこそ、個人的にはもう少し堪能したかったです。

  単純に綺麗と評するにはどこか歪んでいるような。しかしその歪みさえも舞台の要素として観客を惹き込んでいる。本当に新しい世界と感覚を味わえる舞台でした!