2021年7月7日水曜日

2021年度前期第12回:新書報告7

 こんにちは。相澤ゼミ経営学部4年のNです。今回のゼミでは体調不良の方が発生してしまい、発表者3名での活動となったため、残った時間はグループワークを行いました。まずは新書報告についてまとめていきます。

Oさん:澁谷智子『ヤングケアラー 介護を担う子ども・若者の現実』(中公新書、2018年)

ヤングケアラーの現状や具体的な支援について論じられた本です。ヤングケアラーとは、家族に介護が必要な者がおり、大人が担うようなケアを行っている18歳未満の子供の事です。ヤングケアラーの子供が介護に追われ、修学を続けるのが困難になることが問題となっています。対策として、子供が気軽に相談できるような環境づくりが求められており、実際に、イギリスでは学校生活を続けられるような支援や、学校を離れても再度学びなおしが出来る仕組みが作られているとのことでした。一方、日本ではまだ問題が認知され始めた段階で、明確な対策が整っていないのが現状のようです。発表を聞き、自身が大学に通えている事に改めて感謝を覚えました。また、少子高齢化が進む現在、政府だけでなく我々一人一人がこの問題に関心を持ち、対策を考える必要があると感じました。

Iさん:榎本博明『<自分らしさ>って何だろう? 自分と向き合う心理学』(ちくまプリマ―新書、2015年)

今の自分にどこか納得がいかない、目指すべき大人像が見えにくい…。そうした、自分はどんな人間なのかという疑問に関して、心理学者の著者の考えが述べられている本です。著者曰く、自分らしさの発見には他者との関わりが大切なようです。他者と自身を比較したり、他者とじっくり話し合うことで自身も気づかなかった内面を発見できるのではないかとのことでした。発表者からも、自分らしさを見つけるのに役立つので、就職活動前に是非読んでほしい一冊と紹介を受けました。また、面白く、読みやすかったと発表者はコメントしていたので、次回図書館に行った際に探してみようと思いました。

Zさん:野矢茂樹『入門!論理学』(中公新書、2006年)

論理学とは何かについて述べられた本です。数式を用いずに否定(Aでない)、論理積(AかつB)、論理和(AまたはB)、条件(AならばB)といった論理記号が分かり易く解説されているようです。発表者の方も言っていたことですが、論理学は意外と身近にあり、知らない内に学び、使っていたのだと知ることが出来ました。

今回は発表者が3人しかおらず新書報告後に時間が余ったため、残りの時間はグループワークにて「新書報告の苦労と対策」を話し合いました。以下、グループワークで議題に上がった3点に関してまとめてみました。

1. どんな本を読んだらよいか分からない。

  • 予備知識があるテーマの本を選ぶと、理解しやすく読みやすい。
  • 岩波ジュニア新書やちくまプリマ―新書など、比較的読みやすい出版社から選ぶ。

2. 一度読んだだけでは分からない。何を報告すればいいか分からないorまとまらない。

  • 報告の材料になりそうな箇所には付箋を貼りながら読む。
  • キーワードとページ数をメモしながら読む。
  • 発表時のテンプレートを作る(例:本のテーマや概要を述べる→印象に残った個所や重要と感じた箇所を紹介する→自身の感想やコメントを述べる)。

3. 本を読む時間が取れない。

  • 電車の中やスキマ時間を活用する。
  • 本を読む時間を決めて習慣化させる(モーニングルーティーンに組み込む等)。

グループワークを通して、自分と同じことを、他の方も感じていたことに驚きました。他の方は課題を淡々とこなしていると思っていた自分にとってはなかなか衝撃的で、苦労していることと、それに対する対策を共有し合えて良かったと感じました。また、話し合いの中で、一気に読み進めるか少しずつ読み進めるか等、他のゼミ生の考え方を知ることが出来たのも良かったです。情報の共有や他のゼミ生の考えを知ることが出来、非常に有意義なグループワークでした。

次回は1学期最後のゼミですが、緊急事態宣言の影響からZoomでの実施となります。最後に対面で行えないのは残念ですが、遠隔でもゼミが行えることに感謝しつつ、楽しんで発表を行いたいです。