2019年5月8日水曜日

2019年度前期 第3回

ゼミ生のAです。
 第三回ゼミを行いました。今回は3分を目標に選んだ新書の発表を行いました。ジャンルは自由で、様々なタイプの新書に触れることができました。

 最初に相澤先生が、坂本尚志『バカロレア幸福論  フランスの高校生に学ぶ哲学的思考のレッスン』(星海社、2018)を紹介しました。内容としては、なぜフランス人は日本人より幸福を感じているのかについて考え、その答えとして、フランス人は高校で哲学を授業で学んでいるからだと書いてありました。日本では大学で自ら哲学の授業をとらなければほとんどの人が哲学には触れることがないと思うため、幸福について深く考え知っている人は少ないと思いますが、これを日本でも取り入れ学ぶことで考え方などが変わるかもしれないため、高校生や社会人の自殺などは減るのではないかと感じました。

 次にM君が、ピーター・ミルワード『童話の国イギリス』(中公新書、2001)を紹介しました。内容としては、ロビン・フッドやくまのプーさん、マザー・グースなど幅広い名作についての紹介が書いてありました。面白いと思ったのは、プーさんの性格は楽観的で物事を深く考えすぎず、悪口のようなことを言われても本当にそうだと思ったらそれをすんなり受け入れる、そういった考え方などがは哲学者と同じだと述べているところでした。

 次にKさんが、岡田温司『アダムとイヴ  語り継がれる「中心の神話」』(中公新書、2012)を紹介しました。内容としては、禁断の果実、楽園追放などキーワードとしては日本人はたいてい知っているけれど、この本ではそれだけではなくアダムとイヴが美術的な解釈や現代社会へどのような影響を与えたかなどについて書いてありました。興味深いと思ったのは、私はアダムとイヴは同時に生まれた説しか知らなかったのですが、他にもアダムが先に生まれその後にイヴが生まれたとされる説、つまりアダムは両性具有説が唱えられているところでした。

 次に私Aが、福間詳『ストレスのはなし  メカニズムと対処法』(中公新書、2017)を紹介しました。内容としては、ストレスは基本時間と共に勝手に解消されますが、ごく一部のストレス(長時間継続など)の場合は自然に解消せず障害に発展してしまう可能性があること、またその治療法や備え方などについて書いてありました。ストレス障害には不安感が大きく関係していて、特に悩みなどを1人で抱え込んでしまう人が陥りやすいと分かったので、本当に困った時は必ず誰かに相談しようと思いました。

 次にN君が、林田学『情報公開法  官民の秘密主義を超えるために』(中公新書、2001)を紹介しました。内容としては、まずアメリカの情報の自由について説明した後、では日本の情報に関する法律はどうなのかと比べ、その考察などが書かれていました。この本ではロッキード事件などが例で使われていて市民はその事件の究明を求めていたけれど、当時は情報公開法が制定されていなく、情報の非公開が貫かれるなど今では考えられないようなことが起こっていました。今でこそ情報公開法が制定されそういったことはなくなりましたが、情報公開法の他にも、海外で真似るべきものがあるならぜひ取り入れるべきだと感じました。

 次にT君が、砂田一郎『アメリカ大統領の権力』(中公新書、2004)を紹介しました。内容としては、アメリカの歴史の中を通じて、フランクリン・ローズベルトなど大統領はどうリーダーシップを発揮してきたのか、また大統領の特質は時間と共に変わっていったことなどが書いてありました。現在アメリカはドナルド・トランプを大統領とし政治が動いています。私的な意見ですが、彼の政治の仕方は少し過激で強行的な気がするので、ぜひこの本を読んで今までの大統領と比較してみたいと思いました。

 次にH君が、竹内英人『なぜ数学を学ぶのか』(岩波ジュニア文庫、2003)を紹介しました。内容としては、数学は論理性、自由性など他の学問にもつながり、また研究する材料にもなる、そのため数学の勉強が必要なこと、人が数学を嫌いになる理由などについて書いてありました。ああそうだなと感心したのは、数学には矛盾がなく、論理的に誰でも分からせられるところで、確かに証明は数だけではなく言葉を用いて答えまでの手順を説明するところがあったり、1つの問題でも解き方はたくさんあるのに必ず答えは同じだったりなど、覚えて使えるようになるには時間がかかるかもしれませんが、誰でも納得できるものだなと思ったところでした。

最後にO君が、田中克彦『エスペラント』(岩波新書、2007)を紹介しました。内容としては、まずエスペラントとは国際共通語でどうして生み出されたのかを説明した後、文法は規則的で覚えやすく不規則動詞がないなど、その構造などについて書いてありました。名詞はo(例、lingvo:言語)で終わり、形容詞はa(例、simpla:簡単な)で終わる、英語はbe動詞(現在形)がam、is、areと3つあるのに対しエスペラントはestas1つだけですむなど、エスペラントには誰でも理解しやすいような工夫がたくさんなされていて、機会があったらぜひ私も触れてみたいと思いました。

 今回新書を読みまた他の人の新書発表を聞いて、新書を読めば本来知ることがなかったり考えたりすることがなかったりするものに簡単に触れて知ることができるんだなと感じました。次からはできるだけ違うジャンルを選び、幅広いたくさんのものに触れてみたいです。