2018年10月10日水曜日

2018年度 2期第3回ゼミ

 ゼミ生のKです。
  今日はまず初めに西洋美術に関する本の紹介を行いました。二月にゼミ研修でスペインのマドリードに行くので、その事前学習を兼ねています。
  1人目の発表者は、Sさんです。Sさんは斎藤泰弘『ダヴィンチ絵画の謎』(中公新書、2017年)を発表しました。話を聞いて、絵画を理解するには画家の人生を知ることが大事だと知りました。またコメントの中で初めは絵画の良さが分からなくても、作者を知ろうとすれば徐々に理解できるというものがあり、なるほどなと感じました。プラド美術館には、ダヴィンチの描いたモナリザの模写が展示されているとのことなので、スペイン研修の時に見られることが楽しみです。



  次に相澤先生の発表です。先生は宮下規久郎『食べる西洋美術史』(光文社新書、2007年)を紹介しました。西洋の美術品には食べ物がよく登場する理由が、キリスト教と関係があるからだと知りました。なぜなら、キリスト教ではミサでワインやパンなどが振舞われるなど儀式と食べることが密接な関係にあるからです。また、アトリビュートについての説明もしていただきました。アトリビュートとは、絵に登場する人物に何かしらのアイテムを持たせることで、その人物が誰であるのかが分かるという仕組みです。

   次にOさんが山田五郎『知識ゼロからの西洋絵画入門』(幻冬舎、2008年)の紹介をしました。この本は写真や有名画家の作品の写真、また作者の人生の歴史などが、コンパクトに紹介されていて、とても読みやすいものでした。発表の中で、写真を撮るという技術が完成したことにより、リアルに描く絵画の価値が下がってしまったという内容が印象に残りました。Oさんが気に入った作品の紹介も3つほどしてもらい、その中で『快楽の楽園』という作品はプラド美術館の中心的な作品だというので、事前にその話が聞けて良かったです。

  次にNさんが、池上英洋『西洋美術史入門』(ちくまプリマー新書、2012年)を紹介しました。発表の中で絵の役割の時代ごとの変化を紹介していました。最初の絵の役割は時の読み書きができない人に聖書などの内容を伝えることにありました。その後は、財力のある人々が記念に残るような風景や家族の絵を求めるようになりました。その後、写真の普及とともに自己表現の一つに役割を変えていきました。また、美術史を知るためには、なぜその作品が作られたのかなどのことを時代背景を含めた社会学的視点を持つことが必要だと紹介されました。

   西洋美術史紹介の後は、J・S・ミル『自由論』を読み合わせました。今回読んだ中で1番重要だと思ったことは、民主主義になっても、「多数派の専制」が行われる危険性があるから警戒する必要があるということだと思いました。一つの段落ごとに理解できているのかをチェックしながら読み進めることは大変なことですが、自分の身になると思うので頑張っていこうと思います。