2017年11月11日土曜日

舞台観劇 『プライムたちの夜』

 ゼミ生のRです。

  118日、ゼミ終了後に相澤先生とゼミ生二人で新国立劇場にて演劇『プライムたちの夜』を観劇しました。前回のゼミでの舞台観劇の方も新国立劇場でした。今回は以前観劇した中劇場ではなく小劇場でしたので、出演者との距離がより近いという新鮮さがありました。『プライムたちの夜』は海外戯曲です。今回が日本初演ということで観劇前から非常に楽しみでした。


 今日、世界全体でAIやロボット技術を活用しています。テレビやスマートフォンでそういった内容のニュースを日々見ているものの、いまいち自分自身にはピンとこない部分がありました。しかし本戯曲は、まさにこうした新しい技術と人間の関係をテーマとしています。人間ドラマを通して、ダイレクトに技術がもたらす不安や葛藤が伝わってきました。そして日々取り上げられている技術関連のニュースを思い出すと、本戯曲のようにアンドロイドと人間が共に生きるのは、そう遠くない未来かもしれないと感じます。そうなった時、自分は発達した技術とどのように向き合えばよいかと考えさせられました。

 シリアスな題材を活かす役者さんの演技が素晴らしく、上演後半には思わず涙しました。「老い」や「家族」もテーマでしたので、自身の家族や大切な人について考えながら観劇しました。そうすると共感出来る場面が多くありました。特に印象に残っているのはアンドロイドの「なんて素敵なの。誰かを愛せたってことは」という台詞です。技術が進むにつれて何でも可能にしてしまう人工知能にとって、唯一不可能なことがこの「愛する」という感情を持つことではないかと感じました。


 戯曲を観劇して、たとえ家族や大切な人が亡くなったとしてもアンドロイドとして再会したくはないと思いました。人生はどのような過程があろうと一度きりだからこそ尊いもので、その人の生きた価値があるのだと考えます。一方で大切な人と思う程、その人とは永遠にでも一緒に居たいという気持ちも理解出来ます。戯曲を通した個人的な学びとしては、大切な人と後悔しないような関わりを築くということです。

 舞台観劇をする度に、新しい視点や考えを得られると感じます。今回も充実した時間となりました。