2025年4月30日水曜日

2025年度 前期第4回

こんにちは。経営学部3年のSです。徐々に気温が上がり、洋服選びが難しく感じます。今回は今年度初めての新書報告をしました。

Kさん 園部逸夫『皇室法入門』ちくま新書、2020年

本書は、日本の皇室について、法律の観点から論じている本です。皇位継承問題にも触れています。

Kさんは特に天皇の女性相続問題を言及していました。現在の皇室制度では、父方に天皇の血が流れている男系男子しか天皇になれません。この制度は2700年間続いており、長い歴史があります。現在、天皇陛下の長女である愛子内親王は、男系でありながらも、女性であるため皇位継承ができません。ですが、天皇陛下に男性が生まれなかったため、現在では皇位継承問題になっています。

自分は皇室制度について何も知らず、今回の発表を聞いて皇室制度について知りました。愛子内親王が素直に天皇になるのが良いと感じましたが、それを可能にさせない皇室制度を学び、2700年という歴史の重みを感じました。

Sさん 西岡壱誠『東大生と学ぶ語彙力』ちくまプリマー新書、2023年

本書は、語彙を暗記することではなく、語彙を理解する力について論じています。

語彙力を高めるためには、語彙をなんとなくではなく、理解することが重要です。例えば、信用と信頼という言葉の違いを考えてみます。信用とは、過去の実績などから相手を信じること。そして、信頼とは相手の成長や未来を信じること。このような違いがあります。また、これは日本語だけではなく、英語における接頭語にも同じことが言えます。このような違いをはっきりと理解することが、文章を書く時や議論をするときに、言葉の精度が上がることにつながります。

たしかに、普段使っている言葉の中には、意味もわからず使ってしまっている言葉が多々あると感じました。この本で学べることは、相澤ゼミ生にとって不可欠なものだと感じました。

Eさん 乾敏郎 門脇加江子『脳の本質』中公新書、2024年

本書は、脳の働きや構造、脳の病気について解説した本です。

本書は、脳の記憶について、長期記憶と短期記憶について触れています。長期記憶とは、時間が経っても覚え続けられる記憶のことで、人の名前や印象に残る出来事などの記憶がこれにあたります。一方、短期記憶とは、電話番号を少しの間覚えておくなどの、一時的な記憶のことをいいます。これは、情報の時系列を整理する脳の海馬から、大脳新皮質に保存され、情報を出していることに関係しています。Eさんは、脳の病気を発症した患者さんの例を紹介していました。

脳は、自分が思っているよりも繊細な器官なのかなと感じました。記憶の時系列などのさまざまな情報を整理する、脳の記憶という機能がいかに複雑なのかがわかりました。

今回は今学期初めての新書報告でしたが、質問が飛び交い、良い新書報告となりました。質問者が本に対して疑問に思ったことや、本に関連する知識を踏まえた質問がありました。どの発表も新たな発見がありました。次の発表も楽しみです。次回はB班の新書報告です。

2025年4月23日水曜日

2025年度 前期第3回

担当教員の相澤です。相澤ゼミ生たちはほぼ毎週、新書を一冊読み、その内容を口頭あるいは書き込みで報告します。これが本ゼミのメインの活動である「新書報告」です。できるだけ質の高い新書報告をしてもらうために、今日は、私がプレゼンのやり方と文章の書き方をレクチャーしました。

プレゼンに関して私は、話し上手だけでなく聴き上手になることが大事だと強調しました。人生では、自分が話す側になるよりも聴く側になる機会の方が多くあります。プレゼンというと、話す技術にフォーカスされがちですが、聴く技術を身につけることの方が大事ではないでしょうか。レクチャーでは、話す・聴く両方のコツを伝えました。

来週以後、ゼミ生は毎週一冊新書を読んで報告していきます。今日のレクチャーの内容を踏まえつつ、試行錯誤してほしいと思います。


2025年4月16日水曜日

2025年度 前期第2回

 担当教員の相澤です。今日はいつもの教室を離れて図書館のグループ学習室に集合。ゼミで報告する新書の選び方を私がレクチャーし、ゼミ生が実際に新書を選ぶグループワークを行いました。

本ゼミでは、新書報告と題して、毎週自分の選んだ新書について口頭、あるいは文章で報告してもらう活動を行っています。その際、新書は一定の学術的水準を満たしたものを選んでほしいと伝えていますが、玉石混交の中からどういうふうに選べばよいのか。そのテクニックを今日は伝えました。

次に、レクチャーの内容を踏まえて、ゼミ生には自分が読んでみたい新書を3冊選んでもらいました。その後、小グループに分かれて、どんな本を選んだのかシェアするグループワークを行いました。選んだ本・読みたい本には、その人の個性や興味関心が表れます。このグループワークによって、ゼミ生がいろんな関心を持っていることが体感をしてもらいました。

来週は、発表の仕方や文章の書き方をレクチャーする予定です。初回の新書報告に向けて、準備を進めていきたいと思います。

2025年4月9日水曜日

2025年度のゼミが始まりました。

 担当教員の相澤です。2025年度のゼミが始まりました。例年通り、「読んで書いて話す技術を学ぶ」というテーマのもと、読書力と自己表現能力を鍛えていきます。

今年は12名の学生が所属することになりました。継続生が7名、新規生が5名になります。第一回ゼミでは、ゼミの進め方についてレクチャーした後、小グループに分かれて自己紹介ワークを行いました。

今年度は、五年ぶりに大福帳(学生と教員の連絡カード)を復活させました。毎回、授業の最後に学生はゼミでやったことや感想を手書きでカードに書き込み、提出します。私はゼミ生のコメントに返事を書いて次のゼミ時に学生にカードを戻し、毎回必ずやりとりするようにします。正直、手書きでコメントを書くことは、学生にも私にも手間がかかる作業です。しかし、コロナ禍以後使っていたLMS(本学ではmanaba)でのやりとりは無機質でつまらないと感じるようになったため、アナログ回帰してみることにしました。

大福帳でのやりとりをはじめ、ゼミ生の声にしっかり耳を傾けつつ、学ぶ楽しさを全員で味わう一年にしたいと思います。