こんにちは。経済学部2年のKです。最近は秋が来たかと思えば、暖かい日が続いたりお洋服選びが大変です。早く可愛い長袖のお洋服が着たいですね。今回は、F班の発表をご紹介します。
Hさん 斎藤兆史『これが正しい!英語学習法』ちくまプリマー新書、2006年
本書では、英語教育の専門家である斎藤氏が、実践的な英語学習法を紹介しています。
英語教師としての経験も持つ著者は、受験英語に対して批判的な視点を示しつつ、効果的な英語学習の本質を探っています。 著者は英語学習には「大道」と「承継」があると言います。「短期間で英語をマスターできる」といった宣伝文句に惑わされることなく、基礎を着実に築くことの重要性を強調しています。 また、本書で紹介されている学習法は、継続性と実践が大切だと言います。そのため、毎日の学習習慣を確立し、音読や書き取りなど、実際に声を出したり手を動かしたりする活動を重視しています。これらの方法は、単に知識を蓄えるだけでなく、英語を実用的なスキルとして身につけることを目指しています。
報告を聞いて、受験勉強や、資格勉強においても大切なのは継続することだと感じました。
Sさん 中尾政之『失敗は予測できる』光文社新書、2007年
本書は、工学的観点から失敗のメカニズムと予防策を詳細に解説しています。工学部教授である著者は、ジェットコースターの部品など具体的な事例を用いて、実際に起きた事故や事件を分析しています。 著者の研究によると、失敗の96%は事前に防ぐことが可能であり、予測不可能なものはわずか4%に過ぎないとのことです。つまり、ほとんどの失敗は適切な予防策を講じることで回避できるのです。 本書で強調されているのは、失敗を防ぐために具体的な対策を事前に講じることの重要性です。著者は「第三構成要素」という概念を提唱しており、これは失敗する前に打開策を考える能力を指します。この能力を養うことが、失敗を回避するための重要なコツだと言います。
「第三構成要素」というワードを聞いて、失敗をマイナスに捉えすぎないことが大切だと感じます。失敗してからどう行動するか、どう次に生かすかがマイナスに捉えないコツだと思いました。
Mさん 上田一生『ペンギンの世界』岩波新書、2021年
本書では、ペンギンの生態について解説されています。中でも、ペンギンが羽を持ちながら飛べない理由について、興味深い説明がなされています。
著者によると、ペンギンは過去に飛ぶ能力を持っていました。
その証拠として、ペンギンの手の骨が丈夫であることや、しっぽが短いことが挙げられています。これらの特徴は空を飛ぶ能力と関連しているとのことです。
さらに、DNA分析の結果、ペンギンの遺伝子がアホウドリと非常に似ていることが明らかになっています。これも、ペンギンが飛ぶ鳥から進化したという説を裏付けています。
にもかかわらず、ペンギンが飛べなくなった理由は、その生息環境が関係しているとされています。ペンギンは主に南極という限られた環境に適応し、そこでは天敵が少なくなっていったため、飛ぶ必要性が徐々に失われていったと考えられています。
このように、本書はペンギンの進化の過程や、その特異な特徴がどのように形成されてきたかを解説していま
ペンギンの生態について調べたことはありませんでしたが、面白いですね。皆さんペンギンのおもしろ動画をよく見るそうで、盛り上がっていました。
Tさん 岩波明『精神医療の現実』角川新書、2023年
この本は、精神医療の現実と精神医療の歴史について記述されています。
その一つに女性医師の問題、医学部入試の女性差別の問題が取り上げられています。その背景には、女性が医師として働くことの難しさや医師不足があります。女性医師が増えない理由として、家事育児と常勤としての働き方の両立が困難であることが挙げられます。30代に入ると、女性医師は結婚しないか子供を持たない選択をすることが多いようです。
また、本書では造語と誤用の問題も指摘されています。例として、PTSDという言葉の誤った認識が挙げられています。本来は死に直結するような出来事が結びつけられる言葉ですが、現代では些細なことでもPTSDと言われる傾向があるとのことです。 また、ゲーム脳の誤認も取り上げられています。ゲームは脳に悪影響があると広く認識されていますが、著者はなんでもやり過ぎは毒になると指摘しています。
本書で記述されていた通り、医療や社会全体の人材不足は深刻です。消費者が今までのサービスクオリティの見直しが必要になってくると感じました。
次回は三宅香帆さんの『「好き」を言語化する技術』の感想をみんなで共有していきます。