2019年5月28日火曜日

2019年度前期 第6回

ゼミ生のTです。第6回ゼミを行いました。今回は、相澤先生がフランス人の友人を呼んでくださり、フランス人のお二人(マルティーヌさんとニコルさん)とディスカッションをしました。

初めは、簡単なフランス語で名前とボンジュールだけの自己紹介をしました。お二人は3週間ほど日本に旅行に来ているらしく、東京、京都、那覇、姫路など色々なところに行ってきたそうです。旅行の中でお二人が感じた日本の印象からディスカッションが始まりました。

お二人は、日本の規則正しさに驚いたと言っていました。赤信号をちゃんと待ってる日本人をめずらしく思ったということも言っていました。それをきいて、フランスではみんなちゃんと信号を待たないのかと思い、驚きました。また、電柱だらけの街並みにも、めずらしさを感じたそうです。フランスの街並みにはないそうで、2月にフランスに行って、フランスの街並みをみるのが楽しみです。

また、エレベーターで挨拶をしたら、挨拶を返してくれたり、くれなかったりということがあったそうで、それもめずらしく思ったそうです。確かに、日本人にはそういった習慣がないので、戸惑った人も多かったんだと思います。フランスでは、挨拶をしたらちゃんと返してくれるそうで、フランスでは当たり前のように挨拶し合うと聞いて、素敵だなと思いました。

ほかに、お二人が日本の印象について言っていたのが、個人を感じられなかったということです。電車ではみんな同じような格好をしてるように見えたと言っていました。男性は大体スーツで、女性も地味な格好が多い気がしたらしいです。また、電車で杖をついている方がいたのに誰も席を譲らない場面を見たそうです。日本人は周りを見れていないのかもしれないなと思いました。ほかに、日本人の接客の話にもなりました。日本の接客について、過剰な印象を受けたそうです。フランスでは、あんなに何度もしっかりとお辞儀したりしないそうです。

とはいえ、旅行全体としては、良くしてくれる人もたくさんいて満足だと言っていました。お箸を使えるようになった話も聞きました。最初の方はだめだめで、レストランでも、見かねた店員さんからフォークをもらったりしたそうですが、徐々に使えるようになってきたそうです。

ディスカッションをしていくうちに、政治についての話になりました。政治に関してどんな関心があるのか聞かれましたが、自分を含めゼミ生はしっかり答えられませんでした。フランス人に比べ、日本人はあまり政治に関心がないです。フランス人は、若者も政治に関心を持ち、政治について話したりもするようです。日本では、若者の間で、ほとんど政治の話は出てこないような気がします。そう考えると、日本人はもっと政治について話したり、考えたりする機会を増やすべきだと思いました。

政治の話の中で、選挙の話にもなりました。日本は少子高齢化社会で、全員が投票したとしても、若者よりも高齢者の投票数の方が多いです。そうなると必然的に、高齢者向け政策をかかげる政治家ばかりが当選して、若者のための政策をかかげる政治家が当選しにくくなります。そういったことを考えると、選挙への意欲が湧かない、行ったところで意味がないように感じるという意見が出ました。それに対して、それでもいくべきだとフランス人のお二人ははっきりと断言していました。それを聞いて、その通りだと思いました。現状、若者が少なくて、若者の影響力が少ないといえ、何もしなければ何も変わらないということに気づかされました。

フランスではデモは日常的と言えるほど、活発だそうで、日本人には、ほとんど考えられないです。しかし、政治に関心を持って行動をするフランス人を見習うべきだと自分は思いました。また、お二人は、政治は自分たちに関係あることだと言っていました。考えればその通りなのに、普段そういう意識が薄い事に気がつきました。政治は自分に関係のあることだと意識することも、大事だと思いました。話を聞いていて、フランス人には自分から抗議しないと変わらないことや、自分が動くことで何かが変わるという気持ちがしっかりとあるんだろう思いました。

ほかに、日本は女性の権利が弱いという話も出て、日本の天皇は男性しかなれないというのは差別的だと言っていました。自分もそう思いました。ほかにも、トランプについてどう思うか、フランスの大統領についてはどう思うか、フランスでどんなものを食べているか、フランスで有名なスポーツは何か、などなど、色々なお話をしました。とても面白いディスカッションでした。

ディスカッションが終わると、マルティーヌさんが、自身が経営している会社のキーホルダーをプレゼントしてくれました。お昼ご飯は、ありがたいことに、お二人がお弁当を買ってきてくれたので、それを食べました。美味しかったです。フランスには「お弁当」というものがないそうで、二人はお弁当を食べませんでした。お弁当を食べた後、みんなで写真も撮りました。そして最後は、フランス式お別れの挨拶をして、お別れしました。

とても貴重な体験で、色々と考えることが多かったです。一番、自分が覚えていたいなと思ったことは、自分が動くことで何かが変わるということです。政治にしても何にしても、やはり、行動をしなければ何も変わらないということをディスカッションを通して、改めて気づかされました。

2019年5月22日水曜日

2019年度前期 第5回

ゼミ生のNです。第五回ゼミを行いました。今回はそれぞれが選んだ新書の発表を行いました。ジャンルは自由で、様々なタイプの新書に触れることができました。

 最初にゼミ生のKさんが、橘木俊詔・追田さやか『夫婦格差社会 二極化する結婚のかたち』(中公新書、2013)を紹介しました。紹介によれば、これまでの日本は皆婚社会であり、夫が高収入なら妻は働かず、低ければ働くという夫婦のあり方であり、それが一億総中流の要因であった。しかし、最近は夫の状態関係なしに妻が働くことが一般的になったので、かえって夫婦の合算所得である家計所得の格差が広がるようになったということでした。私は発表を聞いて格差というと今までは絶対的貧困や相対的貧困などの格差を思い浮かべましたが、今回夫婦格差というものもあると知りました。これらの格差をどう解決していくのかを調べたいと思います。

 次にゼミ生Aさんが、坂本敏夫『死刑と無期懲役』(ちくま新書、2010)を紹介しました。日本の死刑制度と冤罪がなぜ発生するかについて具体例を交えて書いてあるとのことでした。科学が発展した今現在でも、捜査現場では科学に基づいた捜査を実施せず経験法則的な捜査を行い、それが原因でいまだ冤罪が発生しているという指摘が紹介されており、日本の死刑制度についてより考えさせられました。

 次にIさんが、池上俊一『パスタでたどるイタリア史』(岩波ジュニア新書、2012)を取り上げました。イタリアにおけるパスタの歴史の中で、麺が水とどう出会ったのかが紹介されました。同じイタリアでも北イタリアでは軟質小麦が使われ生パスタのために作られ南イタリアでは保存食としてパスタが作られたという点が面白いと感じました。文化の交流を感じさせられました。

 次にOさんが、阿辻哲次『近くて遠い中国語』(中公新書、2007)を取り上げました。その中から中国語がどのような言語であるのか、日本人が中国語を理解できるかについての紹介を聞きました。例えば日本語において手紙が中国語がトイレットペーパーを意味するように同じ漢字であるにもかかわらず意味が異なるものがあるそうです。日本語でも中国語でも意味が通じてしまうのでまさに近くて遠い中国語ですね。

 次にMさんが、能登路雅子『ディズニーランドという聖地』(岩波新書、1990)を紹介しました。夢の国ディズニーランドとはいったい何なのか、どうしてそこまで人気なのか、といった謎を考察した本だそうです。私が関心を持ったのは、ディズニーランドの入り口は1つしかないという点です。これは映画監督でもあったウォルト・ディズニーが途中からではなくはじめから見てほしいとのコンセプトを立てて、このような形態にしたとのことです。私たちが普段何気なく訪れているディズニーランドは実は高度に考え抜かれたものなのですね。

 そして私が、野澤千絵『老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路』(講談社現代新書、2016)を紹介しました。本書には、日本の土地をめぐる現状、そして土地計画制度の問題点について、そしてそれを解決するための提案が書いてありました。現在日本では人口減少社会であり住む人の数が少なくなっているにもかかわらず大量に高層マンションなどの建築が盛んになっています。この状況は将来のことを考えた場合どうなのか、非常に考えさせられる内容でした。

 今回新書を読みまた他の人の新書発表を聞いて、世の中では私たちが知らない間に様々な出来事が起きてと感じました。そして、これからはより世の中に興味を持ち、もっと行動していくべきだと考えました。

2019年5月15日水曜日

2019年度前期 第4回

 第四回ゼミを行いました。今回の授業では、文章の書き方について教わりました。今回の授業の目的は文章の書き方ポイントの共有です。今後、多くの場面で文章を書く機会があるため、相手に伝わる文章を書くことを目標としています。

   宿題として事前に貰っていたプリントの課題を各人で解いてきました。プリントには、留学志望理由を書いたわかりにくい文章が二つ記されていました。課題では、その文章を読んで、なぜその文章がわかりにくいのかを考え、その上で文章を相手に上手く伝わるように書き直してくるというものでした。

  この宿題をふまえて、授業内では2つのグループに分かれて作業をしました。グループごとに、その文章を更に良くするために、文章のどの部分を直した方がいいのか問題点を上げて書き直して発表した後に、相澤先生からの説明を受けました。そこで文章を書く5つの基本ポイントを抑える重要性を教わりました。そのポイントというのは、(1) 一文長くしないこと、(2) 話し言葉で書かないこと、(3) 書類向きではない言葉は使わないこと、(4)「て・に・を・は」を正しく使うこと、(5) 主語と述語はきちんと対応させることの五つです。このポイントを押さえた上で更に文章をより良くするために、なんの話をしているのか一目で分かるようにすることや、全体の構造を提示していくという応用的な事も教わりました。

   今回文章の書き方を教わり、人に文章で伝える難しさを改めて実感しました。文章を読むことと書くことが繋がっていたり、人によって文章の構成が違っていたりと発見の連続でした。もっと上手く人に伝えられる文章を書けるように教わったことを意識していきたいです。

2019年5月8日水曜日

2019年度前期 第3回

ゼミ生のAです。
 第三回ゼミを行いました。今回は3分を目標に選んだ新書の発表を行いました。ジャンルは自由で、様々なタイプの新書に触れることができました。

 最初に相澤先生が、坂本尚志『バカロレア幸福論  フランスの高校生に学ぶ哲学的思考のレッスン』(星海社、2018)を紹介しました。内容としては、なぜフランス人は日本人より幸福を感じているのかについて考え、その答えとして、フランス人は高校で哲学を授業で学んでいるからだと書いてありました。日本では大学で自ら哲学の授業をとらなければほとんどの人が哲学には触れることがないと思うため、幸福について深く考え知っている人は少ないと思いますが、これを日本でも取り入れ学ぶことで考え方などが変わるかもしれないため、高校生や社会人の自殺などは減るのではないかと感じました。

 次にM君が、ピーター・ミルワード『童話の国イギリス』(中公新書、2001)を紹介しました。内容としては、ロビン・フッドやくまのプーさん、マザー・グースなど幅広い名作についての紹介が書いてありました。面白いと思ったのは、プーさんの性格は楽観的で物事を深く考えすぎず、悪口のようなことを言われても本当にそうだと思ったらそれをすんなり受け入れる、そういった考え方などがは哲学者と同じだと述べているところでした。

 次にKさんが、岡田温司『アダムとイヴ  語り継がれる「中心の神話」』(中公新書、2012)を紹介しました。内容としては、禁断の果実、楽園追放などキーワードとしては日本人はたいてい知っているけれど、この本ではそれだけではなくアダムとイヴが美術的な解釈や現代社会へどのような影響を与えたかなどについて書いてありました。興味深いと思ったのは、私はアダムとイヴは同時に生まれた説しか知らなかったのですが、他にもアダムが先に生まれその後にイヴが生まれたとされる説、つまりアダムは両性具有説が唱えられているところでした。

 次に私Aが、福間詳『ストレスのはなし  メカニズムと対処法』(中公新書、2017)を紹介しました。内容としては、ストレスは基本時間と共に勝手に解消されますが、ごく一部のストレス(長時間継続など)の場合は自然に解消せず障害に発展してしまう可能性があること、またその治療法や備え方などについて書いてありました。ストレス障害には不安感が大きく関係していて、特に悩みなどを1人で抱え込んでしまう人が陥りやすいと分かったので、本当に困った時は必ず誰かに相談しようと思いました。

 次にN君が、林田学『情報公開法  官民の秘密主義を超えるために』(中公新書、2001)を紹介しました。内容としては、まずアメリカの情報の自由について説明した後、では日本の情報に関する法律はどうなのかと比べ、その考察などが書かれていました。この本ではロッキード事件などが例で使われていて市民はその事件の究明を求めていたけれど、当時は情報公開法が制定されていなく、情報の非公開が貫かれるなど今では考えられないようなことが起こっていました。今でこそ情報公開法が制定されそういったことはなくなりましたが、情報公開法の他にも、海外で真似るべきものがあるならぜひ取り入れるべきだと感じました。

 次にT君が、砂田一郎『アメリカ大統領の権力』(中公新書、2004)を紹介しました。内容としては、アメリカの歴史の中を通じて、フランクリン・ローズベルトなど大統領はどうリーダーシップを発揮してきたのか、また大統領の特質は時間と共に変わっていったことなどが書いてありました。現在アメリカはドナルド・トランプを大統領とし政治が動いています。私的な意見ですが、彼の政治の仕方は少し過激で強行的な気がするので、ぜひこの本を読んで今までの大統領と比較してみたいと思いました。

 次にH君が、竹内英人『なぜ数学を学ぶのか』(岩波ジュニア文庫、2003)を紹介しました。内容としては、数学は論理性、自由性など他の学問にもつながり、また研究する材料にもなる、そのため数学の勉強が必要なこと、人が数学を嫌いになる理由などについて書いてありました。ああそうだなと感心したのは、数学には矛盾がなく、論理的に誰でも分からせられるところで、確かに証明は数だけではなく言葉を用いて答えまでの手順を説明するところがあったり、1つの問題でも解き方はたくさんあるのに必ず答えは同じだったりなど、覚えて使えるようになるには時間がかかるかもしれませんが、誰でも納得できるものだなと思ったところでした。

最後にO君が、田中克彦『エスペラント』(岩波新書、2007)を紹介しました。内容としては、まずエスペラントとは国際共通語でどうして生み出されたのかを説明した後、文法は規則的で覚えやすく不規則動詞がないなど、その構造などについて書いてありました。名詞はo(例、lingvo:言語)で終わり、形容詞はa(例、simpla:簡単な)で終わる、英語はbe動詞(現在形)がam、is、areと3つあるのに対しエスペラントはestas1つだけですむなど、エスペラントには誰でも理解しやすいような工夫がたくさんなされていて、機会があったらぜひ私も触れてみたいと思いました。

 今回新書を読みまた他の人の新書発表を聞いて、新書を読めば本来知ることがなかったり考えたりすることがなかったりするものに簡単に触れて知ることができるんだなと感じました。次からはできるだけ違うジャンルを選び、幅広いたくさんのものに触れてみたいです。