先日、ゼミ終わりに相澤先生とゼミ生二人で新国立劇場にて鈴木亮平さん主演の演劇『トロイ戦争は起こらない』を観劇してきました。私は新国立劇場には初めて行ったのですが、無駄のない洗練された外観に広々としたロビーはとても美しく、質の高い劇場であると感じられて身が引き締まるように思いました。
作者のジャン・ジロドゥは第一次世界大戦をその身で経験しこの作品を書いたわけですが、だからこそ人々の考え方や動きがリアルで、神話という世界観ながら臨場感ある舞台に感じました。少し難しい言葉や言い回しの長台詞が多く、なかなかすぐには理解しづらい部分もありましたが、役者さん方の熱演は痛切に心に響きました。また、重いシナリオである中笑いを起こさせる場面もあり、飽きさせないような工夫がされているのだなと感心しました。特に第二幕ではとてもタイムリーなジョークなども出て、私も思わず笑ってしまいました。
時代背景や流れをほとんど知らない状態で観たため、後から調べてようやく腑に落ちた場面がいくつかあり、少し予習してから観ると良かったかなと今になって思います。その上でもう一度集中して観たい舞台でした。来月のゼミ終わりにはまたこちらの劇場で『プライムたちの夜』を観劇予定です。アンドロイドは愛するものの代わりになれるのか、人工知能はどこまで人間の愛に介入できるのか・・・今からとても楽しみです。