こんにちは、経済学部2年のHです。葵祭も終わっていよいよ年末に近づいていますね!今回はE班の発表を紹介します。
Iさん 榎本博昭 『「対人不安」って何だろう』2018年
本書は、人と接する際に不安を感じる「対人不安」について、原因や事例を踏まえながら解説し、克服する方法を提示しています。
「対人不安」とは、人と接する際に、不安に感じることを指します。例えば、人とうまく話せなかったり、嘘がばれるのを恐れて、相手の言動に気を遣うなどといったことが挙げられます。著者は、人は皆、この「対人不安」を持っていると主張しています。原因は、何か自分が放った言葉で相手に見下されるのではないかと余計見栄を張ることで、気まずくなってしまうところにあるそうです。また、「対人不安」は日本人に多いようで、場所によって一人称が変わる「自己盤面依存症」というものが存在しています。
「対人不安」を克服する方法は、自分をあまり意識せず、受け止めて他人に全力で興味を向けるべきだと主張しています。Iさんは性格的にすごく人に興味を持っていて、思いついたらたくさん質問をしてしまうようです。Iさんは、この「対人不安」を克服するコツとしてコミュニティに入って人と関わり続けたり、たくさん質問する練習をするのが良いのではないかと話していました。
私は人と話す際にはこのような不安を感じてしまいます。Iさんの発表を通じて、私は「対人不安」を克服するためのヒントを得ることができたと思います。積極的に実践していきたいです。
Kさん 河合雅雄『不思議の博物誌』 中公新書 2003年
本書は、身近な疑問や生物の営みなど32の小話で構成されています。その中からKさんは2つの話を選んで発表してくれました。
1つ目はシングルライフとレイプです。この話ではオランウータンの生態について述べられています。オランウータンを含むサルは単独居住型と集団居住型に分けられます。オランウータンは、前者に該当し、行動範囲を縄張りとし、オスメス関係なく自由な点が特徴です。タイトルのシングルライフはこの単独居住からきているそうです。オランウータンは賢くて、がたいが良いのが特徴的ですが、時にはレイプと呼べる行動をするようです。メスのオランウータンは今後どうなるかわからない若いオスの個体を嫌います。つまり、エリートの遺伝子を求めると考えることができます。それに抗う形で、オスはレイプし、交尾をするそうです。
2つ目は人とアリの資源管理です。人はモノや生き物の管理をしっかりやっていますが、アリも同様にしっかり管理をしているようです。人間は仮にその管理に失敗したとしても他の物に代えれば良いので自然淘汰されにくいとされています。一方、アリはアブラムシと共生関係にあり、アリがアブラムシを守っています。しかし、アブラムシを守っていく上で、蜜の配分などを間違えてしまうと自然淘汰されてしまいます。そのため、間違えても自然淘汰されない人間に比べて、アリのほうが資源管理が上手いと言われています。
本書を読んだKさんは、身近なものをもっと知ったうえで、教養を深めていきたいと感想を述べていました。私も生活をしていく中で、知らないことに目を傾けてみたいと思いました。
今回は2人が欠席となってしまいましたが、とても話題が豊富な発表を聞くことができました。身近な生活に今回聞いたことを活かしていきたいですね!次回はゼミ報告会に向けた準備の様子を紹介します。