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一つ目は、メッキースと昔恋人だった娼婦ジェニーが「ソロモン・ソング」を歌う場面です。絞首刑にされるメッキースと重ね合わせるように、ソロモンやクレオパトラ、シーザーなどの過去の英雄の悲劇的な末路をあげていきます。このジェニーこそがメッキースを裏切り、警察に売り渡した張本人なのですが、どこか悲しげなのが気になりました。僕はこの場面を見て、ジェニーは、ただ生活の為にかつての恋人メッキースを売ったのだと思っていました。しかし、「逞しく生きる娼婦」としてジェニーを見ていた自分とは異なり、相澤先生や他のゼミ生は「メッキースのことを好きだからこそジェニーは裏切ったのではないか?」など「メッキースの元恋人」としてジェニーを見ていました。自分とは違う劇の受け取り方や考察が聞けて面白かったです。
今回人生二度目の観劇だったのですが、同じタイトルでも演出家などによって大きく見せ方が変わるようなので、別の機会に今回とはまた違った「三文オペラ」を観に行きたいと思いました。
(高橋)